福岡県農業総合試験場研究報告17(1998) pp 115 - 118
 
イチジク新品種‘姫蓬莱’の育成
粟村光男1)・矢羽田第二郎・野方仁・正田耕二2)・金房和己2)
(豊前分場)
 
[摘要]‘姫蓬莱’は、単為結果性を持つ高品質な普通型品種の育成を目標に、1989年に‘蓬莱柿’に‘カプリフィッグ6085’を交配した組み合わせから育成された。樹勢及び樹の大きさは中で、‘蓬莱柿’より樹勢が弱く樹冠の広がりは小さい。枝梢の粗密は中で、‘桝井ドーフィン’同様に一文字整枝に仕立てることは容易である。葉の大きさは中で、裂片数は3〜5である。果実の結実は良好で、夏果及び秋果ともに単為結果するが、夏果の着生数は僅かである。秋果は小さく、円形で、平均1果重は36gである。目は小さく、果頂部の裂開性は少ない。果皮は亦紫色、花托は淡費白色、小果は淡黄褐色である。果汁量が多く高糖度で肉質が密で、品質は極めて良好である。収量は‘ブラウン・ターキー’と同程度で、‘蓬衆柿’より少ない。秋果の収穫開始時期は8月中〜下旬で、‘桝井ドーフィン’より遅いが‘蓬莱柿’より早い。疫病にはやや弱く、センチュウ及びスリップスに対する抵抗性は中程度で、これらを含め病害虫抵抗性はすべて‘蓬莱柿’と同程度である。
[キーワード:イチジク、新品種、単為結果、高品質、秋果]
 
 A New Fig Cultivar 'HIMEHOURAI'. AWAMURA Mitsuo, Daijirou YAHATA, Hitoshi NOGATA, Koji SHODA and Kazumi KANAFUSA (Fukuoka Agricultural Research Center, Chikushino, Fukuoka 818-8549, Japan) Bull. Fukuoka Agric. Res. Cent.,17: 115 - 118 (1998)
[Key word : fig, new cultivar, parthenocarpy, high quality, second crop]
1)現園芸研究所 2)前豊前分場
 
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