葉ネギ葉鞘部の切断による鮮度保持期間の延長 |
〔要約〕葉鞘部を切断して既存のOPPフィルムで包装した葉ネギは、葉先の黄化が抑制されるとともに、内容成分や外観の緑色程度が保持され、茎葉の立ち上がりも少なく、鮮度保持期間を2日間程度延長できる。 |
生産環境研究所・流通加工部・流通利用研究室 |
連絡先 |
092-924-2930 |
部会名
|
生産環境
|
専門
|
加工利用
|
対象
|
葉茎菜類
|
分類
|
指導
|
[背景・ねらい]
本県葉ネギのほとんどは予冷後、フィルム包装されることにより鮮度保持が図られているが、流通過程において葉先の黄化、新葉の伸長による株全体の緑色程度の低下及び茎葉の立上がりによる湾曲等が起こるため、市場からは更なる鮮度保持対策が求められている。
そこで、既存の出荷・流通システムに変更を加えることなく、これまで以上に鮮度の保持期間を延長できる葉ネギの出荷形態を開発する。
[成果の内容・特徴]
1.葉鞘部を切断することにより、葉先の黄化、新葉の伸長及び茎葉の立上がりや湾曲が抑制され、株全体の緑色が保持されるため、鮮度保持期間を2日間程度延長できる( 表1、 図1)。
2.収穫後に葉鞘部を切断すると外葉(旧葉)から新葉への養分移動が停止するため、新葉の伸長が止まる。そのため、クロロフィルやビタミンC等の内容成分の減少も抑制される( 図2、 図3)。
[成果の活用面・留意点]
1.葉ネギ産地において、鮮度保持期間が延長できる新しい出荷技術として活用できる。
2.葉鞘部はどの部分で切断しても効果は変わらない。
3.葉鞘部を切断すると蒸散が著しいので、OPPフィルム密封包装が不可欠となる。
4.切断した箇所より、保存中に茎がわずか(1mm程度/日)に伸長する。
[その他]
研究課題名:新生産システムで生産される野菜の品質特性と品質保持技術
予算区分 :助成事業(新技術)
研究期間 :平成11年度(平成10〜11年)
研究担当者:山下純隆、茨木俊行、池田浩暢
発表論文等:平成10〜11年度 生産環境研究所 流通加工試験研究成績書
|