[要約]
アルファルファーヘイキューブの可消化粗蛋白質含量は粗蛋白質含量を変数とする単回帰式により推定することができる。また、可消化養分総量は細胞内容物質と高消化性繊維含量の和と低消化性繊維含量を変数とする重回帰式により精度良く推定することができる。
畜産研究所飼料部家畜栄養研究室
[連絡先] 092-925-5231
[部会名] 畜産
[専門] 動物栄養
[対象] 牧草類
[分類] 普及
[背景・ねらい]
アルファルファーヘイキューブは乳牛・肉牛の飼料として外国から多量に輸入されているが、アルファルファーヘイキューブは品物により品質にかなりの差があるので、適正な給与設計を行うには正確な飼料成分含量や栄養価を迅速に把握する必要がある。飼料成分含量については近赤外分析計による迅速測定法が確立されたが、栄養価については未確立である。そこで、栄養価の指標である可消化粗蛋白質と可消化養分総量を飼料成分含量から算出する推定する推定式を作成する。
[成果の内容・特徴]
@飼料成分含量から栄養価を推定する推定式作成に用いた試料の可消化粗蛋白質含量のレンジは
9.7%〜19.4%、可消化養分総量のレンジは51.0%〜63.7%であり、一般に利用されているアルファルファヘイキューブの品質を十分にカバーするものであった(表1)。
A可消化粗蛋白質含量は粗蛋白質含量を変数とする単回帰式により精度良く推定することができる。(表2の@式)。
B可消化養分総量は細胞内容物質と高消化性繊維含量の和と低消化性繊維含量を変数とする重回帰式より精度良く推定することができる(表2のA式)
C可消化養分総量は第2表のA式より精度は若干劣るが、細胞内容物質と粗繊維、細胞内容物質と粗灰分及び粗繊維と粗灰分の含量を変数に用いた重回帰式を用いても可消化養分総量の推定は可能である(表2のB〜D式)。
[成果の活用面・留意点]
@表2の@とAは粗飼料分析センターの近赤外分析計に組み込み、粗飼料の分析診断に活用する。
A粗蛋白質、粗繊維、粗灰分、細胞内容物質含量の分析値がある場合には、第2表の@及びB〜Dを用いることにより、現地でで可消化粗蛋白質含量及び可消化養分総量を求めることができる。
[具体的データ]
表1 栄養価推定に用いたアルファルファヘイキューブの飼料成分含量
(乾物中) (H3〜6)
注)@供試件数12点
A可消化粗蛋白質、可消化養分総量は緬羊を用いたデータである。
表2 飼料成分含量からの栄養価推定式
注)DCP=可消化粗蛋白質 TDN=可消化養分総量
OCC=細胞内容物質 Oa=高消化性繊維 Ob=低消化性繊維
CF=粗繊維 CA=粗灰分
[その他]
研究課題名:マメ科牧草の栄養価評価
予算区分 :経常
研究期間 :平成6年度(平成3〜6年)
研究担当者:棟加登きみ子、梅田剛利
発表論文等:平成6年度畜産関係試験成績書