ロールベール・ベールラッパ作業体系におけるほ場面積と作業時間の関係
[要約]
省力的飼料作物収穫作業体系であるロールベール・ベールラッパ体系は、作業ほ場面積が一区画 50a以下の場合、バンカーサイロ体系より作業時間が短く、乾物1kg生産費も作付け面積が15haまでバンカーサイロ体系より低い。
畜産研究所・飼料部・飼料作物研究室 [連絡先]092-925-5231
[部会名]畜 産 [専門]作 業 [対象]牧草類 [分類]指 導
[背景・ねらい]
酪農経営では、飼養規模の拡大に伴い自給飼料生産ための労力不足や労働過重などの問題が顕在化しており、自給飼料生産の省力化が強く求められている。
そこで、省力的飼料作物収穫作業体系として普及してきているロールベール・ベールラッパ体系について、バンカーサイロ体系と比較して、一区画ほ場面積と作業時間の関係及び作業面積と生産費の関係等を明らかにする。(要望機関名:八女普、北九州普、飯塚普(H7))
[成果の内容・特徴]
1 一区画ほ場面積が50a以下のほ場では、ラップサイロ体系の収穫作業時間が短く、
50a以上のほ場ではバンカーサイロ体系の作業時間が短い(図1)。
2 10a当たり収穫作業時間は、ラップサイロ体系では、ほ場面積の大小による影響が少なく50分前後で一定しているが、バンカーサイロ体系は、ほ場面積が大きくなると10aあたり収穫作業時間が短くなり作業効率は高くなる(図2)。
3 乾物 1kgあたり生産費は、生産現場での上限に近い作付面積である10ha〜15haまで機械・施設費の少ないラップサイロ体系が低い(図3)。
[成果の活用面・留意点]
1 粗飼料の収穫調製作業計画策定等の参考として活用できる。
[具体的データ]
[その他]
研究課題名:低コスト飼料生産技術及びフリ−スト−ル牛群管理システム
予算区分:国庫(地域基幹)
研究期間:平成10年度(平成6〜10年)
研究担当者:馬場武志、敷田成太郎、井上信明、太田剛
発表論文等:平成10年度畜産関係試験成績書