フリーストール施設における牛待機室及び誘導路内での排ふん行動の抑制


[要約]
 フリーストール施設における牛待機室及び誘導路内での排ふん量を抑制し、ふん処理量を軽減させるためには、搾乳牛が起立直後に排ふんする習性を利用して、待機室入室前に30分程起立させることが有効である。

畜産研究室・大家畜部・乳牛研究室
[連絡先] 092−925−5231
[部会名] 畜産
[専門]   飼育管理
[対象]   家畜類
[分類]   普及 


[背景・ねらい]
 フリーストール牛舎内でのふん尿の管理については、牛舎構造や処理方式の改善等の研究が進められている。ミルキングパーラ搾乳における待機室や誘導路で 排出されたふん尿処理については、殆どが人力処理であり、また、水洗した汚水の負荷軽減を図るため、排出ふん尿量を抑制させる、省力かつ効率的な管理技術が求められる。
 このため、待機室及び誘導路における排ふん行動を抑制する技術を確立する。

[成果の内容・特徴]
@アブレストパーラ方式の搾乳室において、平均25頭の搾乳頭数、平均1時間の搾乳作業で、待機室での排ふん頭数は起立直後に移動した場合8.2頭(33%)、30分前起立の場合5.1頭(20%)が排ふんし、起立処理は待機室内での排ふん頭数抑制効果が認められる(図1,表1)。

A誘導路での排ふん頭数に及ぼす起立処理の影響は小さい(表1)。

B季節との関係では、冬期の方が排ふん頭数はやや多い傾向が見られたが、その差は小さい(表1)。

[成果の活用面・留意点]
 この技術はふん処理のための機械化が困難な待機室、誘導路での排ふん量の軽減につながる極めて簡易な方法であり、フリーストール施設導入農家の指導に活用できる。


[具体的データ]




研究課題名:低コスト飼料生産技術及びフリーストール牛群管理システム
予算 区分:国庫(地域基幹農業)
研究 期間:平成7年度(平成6〜9年)
研究担当者:上田允祥、柿原孝彦、山下克之
発表論文等:平成7年度福岡県農業総合試験場畜産関係試験成績書