トルコギキョウの8月上旬出し直播き栽培のための適品種と播種時期

[要約]トルコギキョウの8月上旬出しを目的とした直播き栽培では、ロゼット株の発生が少なく、採花時の切り花長が70cm以上で、花数が15個以上となる品種「あすかの紫」、「さとの粧」、及び「キングオブブルー」が適する。また、播種時期は4月中旬〜下旬がよい。

園芸研究所・野菜花き部・花き花木研究室 [連絡先]092-922-4111
[部会名]園 芸 [専門]栽培 [対象]花き類 [分類]普 及

[背景・ねらい]

トルコギキョウは播種期の高温が直接的にロゼット化を誘導したり、定植時の断根が間接的に影響して開花株率が低下するとされている。そこで、暖地において良品の出荷が少なくなる8月上旬出荷の作型確立を目的に、直播き栽培でロゼット株の発生がなく、採花時において切り花品質の優れる品種(切り花長70cm以上、花数15個以上)を選定し、播種適期を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
@4月中旬〜下旬に直播きを行うとロゼット株の発生はほとんどの品種で認められないが、5月中旬以降に直播きした場合にはロゼット株が多発する(表1)。
Aロゼット株の発生の少ない品種は、「早生あずまの紫」、「あずまの雪」、「あずまの波」、「あすかの紫」、「はまの粧」、「さとの粧」および「キングオブブルー」である(表1)。
B採花時において切り花長が長く、花数の多い品種は、「あすかの紫」、「さとの粧」、「あすかの粧」、「キングオブスノー」及び「キングオブブルー」である(表2)。

A県内平坦地のトルコギキョウ産地に利用できる。
B直播き栽培では、床土の播種層にピートモスを使用し、2週間程度は十分に灌水を行って発芽を促す。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名:トルコギキョウの作型と夏季低温処理法
予算区分:経常
研究期間:平成8年度(平成6〜8年)
研究担当者:小林泰生、谷川孝弘、松井洋
発表論文等:平成6〜8年度園芸研究所野菜花き部花き花木研究室成績概要