ゴールドクレスト及びベニカナメモチのセル成型育苗における用土と施肥量


[要約]
 ゴールドクレストのセル成型育苗にはピートモスとパーライトの1:1 または1:2の混合用土を用い、2000倍の液肥(15 8-17)を週 1回施用すると 良苗が得られる。ベニカナメモチの育苗にはピートモスとパーライトの等量混合用土を用い、用土1lに緩効性肥料(12-10-11)を1.7g混入すると良苗が得られる。
[園芸研究所・野菜花き部・花き花木研究室
[連絡先] 092-922-4111
[部会名]   園  芸 
[専門] 栽 培
[対象] 緑化植物
[分類] 研究


[背景・ねらい]
 緑化樹の苗の繁殖はほとんどが地床や育苗箱への挿し木で行われているが、発根不良や不揃い、活着不良による定植後の枯死などが問題となっている。また、掘上げや鉢上げに手間がかかるため、セル成型トレイを利用した育苗技術の確立が望まれている。そこで、発根が不良で不安定なゴールドクレスト及びベニカナメモチを対象として、セル成型育苗における育苗用土の種類、施肥方法を検討する

[成果の内容・特徴]
@ゴールドクレストは、ピートモスとパーライトを1:1または1:2の割合で混合した用土を育苗に用いることにより、発根株率が高く、根重が重くなる(表 1)。

Aベニカナメモチは、ピートモスとパーライトを1:1の割合で混合した用土を育苗に用いることにより、発根株率が高く、根長が長く、根重が重くなる(表 2)。

Bゴールドクレストでは、挿し木 1カ月後から2000倍の液肥(N-P-K=15- 8-17)を施用すると発根株率が向上する。緩効性肥料(N-P-K=12-10-11、 100日タイプ)の用土混入は効果が認められず、特に用土1に3.3g施用すると、発根が著しく抑制される(表2)。

Cベニカナメモチでは、特に用土1に緩効性肥料を1.7g施用することにより、無肥料に比べ、発根率は高く、鉢上げ後の生育も優れる(表2)。

[成果の活用・留意点]
@花木のコンテナの栽培地域における栽培技術資料として活用する。

Aセルの大きさが26m /穴 (135穴)のトレイに適用する。

Bセル成型用土としてピートモスやパーライトを用いる場合には吸水に時間がかかるため、挿し木前に用土と水分を十分なじませておく。


[具体的データ]





[その他]

研究会課題名:セル成型苗の育成技術
予算区分:経常
研究期間:平成7年度(平成6〜7年)
研究担当者:松井 洋・小林泰生・谷川孝弘
発表論文等:平成6〜7年度園芸研究所野菜花き部花き花木研究室