つる性サヤインゲンの夏秋季露地栽培における適品種
- [要約]サヤインゲンの中山間地域における夏秋季露地栽培において、つる性で丸莢の品種「ケンタッキーワンダー101」は収量が安定して高く食味も優れている。
- 八女分場・中山間地作物研究室 [連絡先]0943ー42ー0292
- [部会名]園 芸 [専門]栽 培 [対象]サヤインゲン [分類]指導
[背景・ねらい]
- 県内中山間地域におけるサヤインゲンの夏秋季露地栽培は,つる性の「アメリカ平莢」を用いて行われているが、同品種は特に高温時の着花不良と落莢により収量が低下しやすい。また同品種を嗜好する市場は一部地域に限られているため、販路拡大が困難となっている。
- そこで、高収益化を図るため、気象変動に左右されない多収と高品質を得ることのできる新たな品種を選定する。
[成果の内容・特徴]
@ 「ケンタッキーワンダー101」は、他品種に比べて欠株率が小さく収穫莢数が安定している。
また平均莢重が慣行栽培品種「アメリカ平莢」に比べて大きい。このため収量が多く安定して
いる。収穫開始時期は「アメリカ平莢」とほぼ変わらない(表1)。
A 「ケンタッキーワンダー101」の収穫莢は、「アメリカ平莢」に比べて丸莢傾向でやや長く、色
が濃い(表2,図1)。
B 「ケンタッキーワンダー101」の調理莢は、外観、食味の評価が高く、すじも気にならない
(表3)。
[成果の活用面・留意点]
@ 福岡県野菜推奨品種一覧表に登載する。
A サヤインゲンは市場によって嗜好する品質が異なるため、産地への品種導入にあたっては、
市場関係者との十分な情報交換が必要である。
[具体的データ]
[その他]
- 研究課題名:サヤインゲンの安定栽培技術
- 予算区分:経常
- 研究期間:平成8年度(平成5〜8年)
- 研究担当者:執行明久、成清 潔、大賀康之
- 研究論文等:平成5〜8年度 八女分場中山間地作物研究室試験成績概要書