草刈機利用によるミョウガの茎間引き作業の省力化
- [要約]ミョウガの茎間引きは、丸刃回転式の草刈り機を用いてu当たり80本±20%の茎をすじ状に残すことにより、収量、品質に悪影響を及ぼすことなく、慣行の手間引き作業に対して約10分の1の短時間で行うことができる。
- 八女分場・中山間地作物研究室 [連絡先]0943-42-0292
- [部会名]園 芸 [専門]栽培 [対象]花菜類 [分類]普及
[背景・ねらい]
- 本県中山間地域の特産野菜であるミョウガの栽培において、茎間引きは品質・収量を高めるために不可欠な作業である。慣行の茎間引き作業は鋏等を使って手で均一に茎を残すように間引くため、長時間の重労働作業となっている。
- そこで、効率的な茎間引き法を検討し、茎間引き作業時間の短縮化を図る。
[成果の内容・特徴]
@ 茎間引きは、畝面に発生する茎を、5月中旬に畝方向に直角のすじ状に草刈り機で刈り取
り、u当たり80本±20%の茎を残すことによって、手間引きの約10分の1の時間で行うことが
できる(図1、表2)。
A 間引き前に平均的な部分の立茎数を調査し、次式によって間引き間隔を算出することで間
引き精度を高めることができる(図1、表1、表2)。
- X=(b×c)/(a−b)
a:間引き前の立茎数(本/u) b:間引き後目標立茎数(本/u)
c:草刈り機の回転刃の直径(cm) X:間引きせずに残す幅(cm)
B 草刈り機による茎間引きは、収量、品質に悪影響を及ぼさない(表3)。
[成果の活用面・留意点]
@ 福岡県主要野菜の栽培指導指針に登載し、省力的ミョウガ栽培の参考とする。
A 茎間引きは通常5月中旬に行い、間引かれた茎の腋芽が伸張してくる6月上旬頃にもう一度
同じ位置を刈り取る。
B 茎を地際部から離れた高い位置で刈り取ると、生長点が残り間引きの効果がないので、な
るべく地際部に近い位置で刈り取るようにする。
C 間引かれた茎は、慣行の手間引きと同様に、早めに圃場外に搬出する。
[具体的データ]
[その他]
- 研究課題名:ミョウガの安定生産技術
- 予算区分:経常
- 研究期間:平成8年度(平成6〜8年)
- 研究担当者:執行明久、成清 潔、大賀康之
- 発表論文等:平成6〜8年度 八女分場中山間地作物研究室試験成績概要書