野菜栽培管理ビークルを利用したキャベツの管理作業の作業精度と利用可能面積
[要約]
野菜栽培管理ビークルによるキャベツの中耕・培土、追肥作業では、土壌水分の違いに対する適応性が高く、株元へほぼ均一に培土できる。また、作業能率は15.4a/hrで、慣行作業体系と同等の費用となる作業面積は3.5haである。
園芸研究所・野菜花き部・施設機械研究室 [連絡先]092-922-4111
[部会名]園 芸 [専門]機械 [対象]葉菜類 [分類]普 及
[背景・ねらい]
キャベツは、福岡県の露地野菜品目の中で最も作付面積が大きく、全自動移植機の導入により移植作業の省力化が進んでいる。移植後の中耕・培土、追肥の管理作業は、天候に左右されやすく、適期に作業を行う必要があるが、歩行用管理機や背負い式肥料散布機による作業では、作業能率の面で問題がある。そこで、新しく開発され、様々な栽培管理に汎用性がある野菜栽培管理ビークルを利用した中耕・培土、追肥作業の作業精度、作業能率および費用について明らかにする。 (要望機関名:生産流通課(H4))
[成果の内容・特徴]
1 野菜栽培管理ビークルに装着した中耕・培土機は、土塊粒径が大きく乾燥した土壌 に対して砕土性がやや不良であるが、土寄せは土壌水分の違いに対する適応性が高く、葉数10枚前後のキャベツの株元へほぼ均一に培土できる(表1、表2)。
2 施肥機を装着した同時追肥作業では、2条畝は畝中央に、1条畝は畝肩にほぼ均一に肥料を散布できる(データ略)。
3 野菜栽培管理ビークルによる中耕・培土、追肥作業の作業能率は15.4a/hrであり、1日の作業可能面積は慣行の約
2.3倍である。また、慣行作業と同等の費用となる作業面積は
3.5haである(表3、表4)。
[成果の活用面・留意点]
1 福岡県野菜生産省力化の手引きに登載し、野菜生産の省力化・軽作業化技術の資料として活用できる。
[具体的データ]
[その他]
研究課題名:野菜栽培管理ビークルの性能試験
予算区分:経常
研究期間:平成10年度
研究担当者:姫野修一、真鍋尚義、森山友幸、井手治
発表論文等:平成10年度施設機械研究室試験成績概要書