根深ネギ生産における移植、収穫、調製作業の機械作業能率と機械の利用可能面積
[要約]
根深ネギ゙の収穫作業において全自動収穫機または堀上げ機を利用することにより、10a当たり作業時間を慣行の約85%短縮できる。また、費用が慣行作業と同等となる面積は全自動移植機が151a、全自動収穫機が189a、堀上げ機が38a、連続皮むき機が85aである。
園芸研究所・野菜花き部・施設機械研究室 [連絡先]092-922-4111
[部会名]園 芸 [専門]機械 [対象]葉茎菜類 [分類]普及
[背景・ねらい]
本県の京筑地域は根深ネギの産地育成に取り組み、作付面積の拡大に取り組んでいる。しかし、現行の根深ネギ生産の移植、収穫、調製作業は大部分が人力で行われるため、作業時間が長く、身体負担が大きいことが問題となっている。そこで、最近開発された全自動移植機、収穫機器および調製機を利用した場合の作業精度、作業能率および慣行作業と費用が同等になる面積を明らかにし、作業の機械化による作付面積の拡大を図る。(要望機関名:生産流通課、京都普(H10))
[成果の内容・特徴]
1 ディスク型全自動移植機は慣行の栽植様式での植付けが可能で植付精度は高い。ま た、全自動移植機利用での収穫物は、慣行の苗を使った場合と同等の品質が得られる (表1)。
2 全自動収穫機、堀上げ機ともに作業時茎葉の汚れ、損傷が少なく作業適応性は高い。 また、慣行の管理機利用での作業に比べて作業時間を約85%短縮でき、作業姿勢を改 善することができる(表2、4、一部デ−タ略)。
3 連続皮むき機(根葉切り機付き)は皮むき・根切り精度が高く、慣行の皮むき機利 用体系に比べて作業時間を26%短縮できる(表3、4)。
4 根深ネギの移植、収穫、調製作業において機械を利用することにより、慣行に比べ
て10a当たり労働時間を44%短縮できる。機械利用での費用が慣行作業と同等となる作業面積は全自動移植機が151a、全自動収穫機が189a、堀上げ機が38aおよび連続皮むき機が85aである(表4)。
[成果の活用面・留意点]
1 福岡県野菜生産省力化の手引きに登載し、根深ネギ生産における機械利用のための資料として活用できる。
2 全自動移植機による移植は慣行より小苗利用のため梅雨期の移植では排水対策を十分に行う。
[具体的データ]
[その他]
研究課題名:根深ネギの収穫機、調製機の性能試験
予算区分:経常
研究期間:平成10年度(平成10年)
研究担当者:森山友幸、姫野修一、井手 治
発表論文等:平成10年度園芸研究所野菜花き部施設機械研究室成績概要