中山間地域における赤色系リーフレタスの9月採り栽培
[要約]
赤色系リーフレタスの品種「晩抽レッドファイヤー」を7月下旬に播種し、夜冷・短日条件で育成する育苗法と標高340m程度の中山間地域での栽培を組み合わせることによって、9月中〜下旬採り栽培が可能である。
豊前分場・普通作物・野菜研究室 [連絡先]0930-23-0163
[部会名]園 芸 [専 門]栽 培 [対 象]葉菜類 [分 類]指 導
[背景・ねらい]
レタス類は高温によって抽だいするため、福岡県では7〜9月が端境期となっている。赤色系リーフレタスは年間を通して需要が多く、周年での生産が求められているが、育苗期からの高温による抽だいが発生しやすいため、その抑制技術の確立が求められている。
そこで、中山間地域の農業の振興を図るため、赤色系リーフレタスの抽だいを抑制する育苗法を明らかにし、9月採り栽培技術を確立する。
[成果の内容・特徴]
1.赤色系リーフレタスの品種「晩抽レッドファイヤー」を7月下旬に播種し、播種後7日目から15〜20℃の低温で暗黒条件14時間、自然条件10時間で15日程度育苗することにより、草丈は低く抑えられ、最大葉も小さくなる(表1)。
2.前記1.の条件で育成した苗を標高340m程度の中山間地域(8〜9月の平均気温は標高
10m地点より約 2.4℃低い)に8月上〜中旬に定植することで9月中〜下旬に平均調製重220g以上で、抽だい長8cm以下の収穫物が得られる。この作型の10a当たりの収量は1,000〜2,200kgである(表2,図1)。
[成果の活用面・留意点]
1.中山間地における振興品目として普及を図る。
2.福岡県推奨品種一覧表に登載できる。
3.育苗にあたっては低温庫を利用した催芽を行い、発芽促進を図る。
4.抽だいがはやく収穫適期幅が短いので、採り遅れないように注意する。
5.多雨対策のため、作畦は早めに行う。
[具体的なデータ]
[その他]
研究課題名:9月採りリーフレタスの新作型の開発
9月採りリーフレタスの現地適応性
予算区分:県特
研究期間:平成10年度(平成7〜10年)
研究担当者:林田達也、柴戸靖志、尾形武文
発表論文等:平成7〜10年豊前分場野菜試験成績書