いぐさ品種「筑後みどり」の出芽時期別茎の生育特性 |
[要約]い草品種「筑後みどり」の7月15日刈り栽培では5月下旬出芽茎の出芽後6週目以後の後期伸長量が大きく、収穫時の茎長が長く、先枯れ長は短い。また、7月1日刈栽培に比べて茎の根元部が細く、硬度が硬く品質が優れる。 |
筑後分場・い草研究室 |
連絡先 |
0944-32-1029 |
部会名
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農 産
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専門
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加工利用
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対象
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いぐさ
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分類
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指 導
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[背景・ねらい]
本県のい業振興を図るためには、厳選した「筑後みどり」を原料とした高級畳表の生産が急務となっている。このためには、「筑後みどり」の特性を生かした新しい栽培法を確立する必要がある。
そこで、出芽時期別茎の生育特性を「いそなみ」と比較するとともに、最適な作期を明らかにする(要望機関名:南筑後普(H10))。
[成果の内容・特徴]
1.「筑後みどり」の刈取期及び追肥時期決定の基本となる最長茎出芽時期は「いそなみ」と同様 、7月15日刈栽培が5月5半旬頃で、7月1日刈栽培は5月2半旬頃である。それ以前の出芽茎は茎長が短いうえに先枯長が長く、またそれ以後の出芽茎は茎長が短く、ともに品質が低下する( 図1)。
2.「筑後みどり」の茎の1週間当たりの伸長量は「いそなみ」に比べて出芽後5週目以後大きく、後期伸長性が優れる。7月15日刈栽培では、5月下旬出芽茎の伸長量が6週目以後大きい( 表1)。
3.根元部の茎の太さは出芽時期が早いほど大きく、7月15日刈栽培では5月5半旬頃の出芽以後は比較的小さい。一方、茎の硬度(目標値65%以上)は出芽時期が早いほど硬く、 7月15日刈栽培では6月2半旬頃出芽以後の若い茎は軟らかくなり、茎の太さと硬度から5月下旬出芽茎の品質が良好である( 図2、 図3)。
4.7月1日刈栽培は茎の根元部が太く、品質が劣る( 図2)。
[成果の活用面・留意点]
1.いぐさ栽培指導指針に登載し、「筑後みどり」の適正な栽培時期を指導するための資料として活用できる。
[その他]
研究課題名:新品種「筑後みどり」の安定栽培法
予算区分:経常
研究期間:平成10年度(平成8〜10年)
研究担当者:藤冨慎一、堺田輝貴、住吉 強
発表論文等:平成8〜10年度いぐさ栽培・加工に関する試験成績書
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