[要約]
大麦に発生する斑葉病に対する防除効果はトリフミン水和剤の粉衣、ベンレートT水和剤20またはキノンドー水和剤の高密度短時間種子浸漬が優れる。
生産環境研究所・病害虫部・普通作物病害虫研究室
[連絡先] 092−924−2938
[部会名] 農産
[専門] 作物害虫
[対象] 麦類
[分類] 普及
[背景・ねらい]
近年大麦に斑葉病が多発生の傾向にある。本病の防除法としては種子消毒がもっとも効果的である。そこで、種子消毒剤について防除効果の高い処理法を明らかにし、本病の防除対策とする。
[成果の内容・特徴]
大麦の斑葉病に対する種子消毒法として、粉衣ではトリフミン水和剤の 0.5%種子粉衣の効果が高く、浸漬ではベンレートT水和剤20の20倍希釈液に10分間浸漬またはキノンドー水和剤の10倍希釈液に20分間浸漬の効果が高い(表1)。
[成果の活用面・留意点]
@大麦の斑葉病に対する防除法として上記の薬剤と処理方法を防除基準に補足資料として追加する。また、播種技術指針にも追加記載する。
Aキノンドー水和剤は裸黒穂病に対する防除効果がないので、本剤のみの連年使用はさける。
[具体的データ]
表1 大麦斑葉病に対する種子消毒剤の防除効果(平成6年)
注)@処理方法の%は乾燥種子重量に対する薬剤の量
A薬剤試験区は3区制で、調査株数は1区120〜233株、無処理は
2区制で、調査株数は1区89株と92株
[その他]
研究課題名:新発生並びに突発性病害虫の発生生態と防除
予算区分 :経常
研究 期間 :平成6年度(平成6年)
研究担当者:松本幸子・中村利宣・松江勇次
発表論文等:平成7年度生産環境研究所病害虫部普通作物病害虫関係試験成績概要書