福岡県農業総合試験場研究報告20 (2001) pp 101−104
Bb不活化ワクチンとPmトキソイドワクチンの併用接種による豚萎縮性鼻炎の予防効果
北崎宏平・山本英二1)・村上徹哉・大和碩哉・今村和彦2)
(畜産研究所)
[摘要]豚の萎縮性鼻炎(AR)の予防法として、母豚と子豚にBordetella bronchseptica不活化ワクチンとPasteurell multocidaトキソイドワクチンを併用接種する場合のより効果的な接種方法を明らかにするため、肥育豚を母子免疫区(母豚にBb不活化ワクチン1回、Pmトキソイドワクチン2回、子豚時にPmトキソイドワクチン2回接種)、母免疫区(母豚にBb不活化ワクチン1回、Pmトキソイドワクチン2回接種、子豚時の接種なし)、対照区(母豚にBb不活化ワクチン1回接種、子豚時の接種なし)で比較した。その結果、母子免疫区の肥育豚は、予防に有効なPm−DNT中和抗体価を肥育後期の21週齢まで維持した。さらに母子免疫区の肥育豚は、対照区と比べて鼻甲介骨病変が有意に低減した(P<0.05)。以上のことから、AR予防に最も効果的なワクチン接種法は母子免疲法であることが明らかとなった。
[キーワード:豚萎縮性鼻炎、Bordetella bronchseptica、Pasteurella multocida、ワクチン、抗体価]
[Key words : atrophic rhinitis, Bordetella bronchseptica, Pasteurella multocida, vaccine, antibody titer]
1)現筑豊家畜保健衛生所 2)現中央家畜保健衛生所