福岡県農業総合試験場研究報告20 (2001) pp 93−96
飼料へのα−トコフェロール添加が卵黄中α−トコフェロール含量、移行率、産卵成績及びハウユニットに及ぼす影響
福原絵里子・前田統幸1)・西尾祐介・津留崎正信2)
(畜産研究所)
[摘要]採卵鶏の基本飼料にα−トコフェロールを0%、0.02%、0.04%、0.06%及び0.08%の5水準で添加給与し、卵黄中のα−トコフェロール含量及び移行率について検討した。また、α−トコフェロールを0%、0.02%、0.04%及び0.06%の4水準で添加給与し、採卵鶏の産卵成績及びハウユニットに及ぼす影響について検討した。
基本飼料へのα−トコフェロールの添加割合が0.02〜0.08%では、卵黄中のα−トコフェロール含量は添加割合が増加するに伴い有意(P<0.01)に増加し、移行率は20%程度と一定であった。
基本飼料へのα−トコフェロールの添加割合が0.06%まででは、採卵鶏の産卵成績及びハウユニットヘの影響は認められなかった。
よって、α−トコフェロールを基本飼料に0.06%まで添加しても産卵成績及びハウユニットに影響を及ぼすことなく、卵黄中に一定の割合で移行するα−トコフェロールを強化した鶏卵を生産することができる。
[キーワード:α−トコフェロール、採卵鶏、卵黄]
[Key words :α-tocopherol, hens, egg yolk]
1)現甘木農林事務所 2)現農政部畜産課