福岡県農業総合試験場研究報告20 (2001) pp 84−88

分娩後の乳牛におけるTDN充足率と血漿成分および繁殖性との関係

原田美奈子・磯崎良寛・柿原孝彦・古賀康弘
(畜産研究所)

[摘要]混合飼料不断給餌下における分娩後のホルスタイン種乳牛22頭を用いて、TDN充足率と血漿成分および繁殖性との関係を分娩後11週間の平均TDN充足率が90%以上の群と90%未満の群に分けて検討した。
1 TDN充足率は、血漿成分に影響を及ぼし血漿中の遊離脂肪酸は、分娩後のTDN充足率の上昇にともなって低下する傾向が認められた。この低下傾向は。分娩後のTDN 充足率90%以上の牛群においては分娩後1週目で0.6mEq/lだったものが11週目 では0.15mEq/lと顕著であり、TDN充足率90%未満の牛群においては、1週目 で0.52mEq/lだったものが0.3mEq/lと緩慢であった。
2 分娩後のTDN充足率と各血漿成分量との関係から、遊離脂肪酸、総コレステロールおよびグルタミン酸オキサロ酢酸トランアミナーゼを用いたTDN充足率判定のための関数式が得られ、その的中率は77〜80%であった。
3 TDN充足率の高低は分娩後の初回排卵や子宮修復には影響を及ばさなかったが、初回授精に要する日数には影響を及ぼした。これは、TDN充足率90%以上群では短かったことから、分娩後の栄養摂取状況がその後の受胎成績に影響を及ぼすことが認められた。

[キーワード:乳牛、TDN充足率、血漿成分、繁殖性]

 Characteristics of Meat Quality and Sensory Evaluation in Meat of Large Yorkshire×Wild Boar Intercross. MURAKAMI Tetsuya,Eiji YAMAMOTO and Hiroya YAMATO (Fukuoka Agric. Res.Cent., Chikushino, Fukuoka 818-8549, Japan) Bull. Fukuoka Agric. Res.Cent. 20: 84 - 88 (2001)

[Key words : dairy cow, TDN levels, blood plasma, breeding]

 

全文  full text  (pdf 685KB)

 

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