福岡県農業総合試験場研究報告20 (2001) pp 79−83

乳牛における給与飼料中の蛋白質の第1胃における分解率の違いが乳量・乳成分・乳中窒素の構成に及ぼす影響

柿原孝彦・梅田剛利・原田美奈子・小島雄次1)
(畜産研究所)

[摘要]乳牛における給与飼料中の蛋白質の第1胃内分解率が乳量、乳成分、乳中窒素の構成に及ぼす影響を明らかにするため,乳牛6頭を用い、大豆粕と魚粉を使って給与蛋白質の第1胃内分解率(以下分解率)を制御して、高分解区(給与蛋白質の分解率67%)、中分解区(分解率63%)、低分解区(分解率59%)の3処理を設け、ラテン方格法により試験を実施した。
 その結果、飼料蛋白質源の大豆粕の一部を魚粉で代替した中分解区と低分解区は乳牛の代謝体重当たり乾物摂取量が減少し、乳量がやや減少する傾向であった。低分解区では第1胃液中のアンモニア態窒素、血中尿素態窒素が高分解区より低くなった。また、低分解区の乳中窒素の構成では、ホエー態窒素の含量が高まり、それに伴って蛋白態窒素含量も高まり、非蛋白態窒素の含量は低下する傾向にあった。

[キーワード:乳牛、蛋白質、魚粉、乳蛋白質、カゼイン、ホエー]

 Effect of TDN Levels on Blood Plasma and Breeding on Lactaion Performance of Postpartum Dairy Cow. HARADA Minako, Yosihiro ISOZAKI, Takahiko KAKIHARA, Yasuhiro KOGA (Fukuoka Agric. Res.Cent., Chikushino, Fukuoka 818-8549, Japan) Bull. Fukuoka Agric. Res.Cent. 20: 79 - 83 (2001)

[Key words : dairy cow, protein, milk protein, casein, whey]

 

1)両筑家畜保健衛生所

 

全文  full text  (pdf 672KB)

 

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