福岡県農業総合試験場研究報告20 (2001) pp 75−78

ブドウスティルベンシンターゼ遺伝子導入によるカラタチ形質転換体の作出とその特性

−食用農作物での遺伝子組換え研究は平成13年度をもって終了しました−

繻エ実・能塚一徳・小林省蔵1)・鶴丈和2)
(果樹苗木分場)

[摘要]カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)35Sプロモーターの調節下に連結したVitis laburusca cv. Concord 由来のスティルベンシンターゼ遺伝子をアグロバクテリウム法によりカラタチ(Poncirus trifoliata Raf.)へ導入した。導入された遺伝子はPCRで検出し、77個体が形質転換体であることを確認した。これらの形質転換体からはスティルベンシンターゼの代謝産物であるレスベラトロールは検出されなかった。しかし、多くの個体はレスベラトロールの配糖体である、抗菌活性を示さないパイシードを産生した。これは、スティルベンシンターゼにより合成されたレスベラトロールが、カラタチの内生グリコシルトランスフェラーゼにより配糖体に変換されたものと推定された。これらのことから、得られた形質転換カラタチの病害抵抗性は、向上している可能性が低いことが示唆された。

[キーワード:カラタチ、形質転換、スティルベンシンターゼ、レスベラトロール、パイシード]

 Effects of Degradability in Intake Protein from Milk Production and in the Milk Composition by Lactating Holstein Cows. KAKIHARA Takahiko, Takeshi UMEDA Minako HARADA, and Yuji KOJIMA (Fukuoka Agric. Res.Cent., Chikushino, Fukuoka 818-8549, Japan) Bull. Fukuoka Agric. Res.Cent. 20: 75 - 78 (2001)

[Key words : trifoliate orange, genetic transformation, stilbene synthase, resveratrol, piceid]

 

1)農林水産省果樹試験場カキ・ブドウ支場、2)現南筑後地域農業改良普及センター

 

全文  full text  (pdf 550KB)

 

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