福岡県農業総合試験場研究報告20 (2001) pp 66−70
カキ‘新秋’の無加温ハウス栽培における果実品質及び収量性
千々和浩幸・林公彦・牛島孝策
(園芸研究所)
[摘要]農林水産省果樹試験場で育成された早生の完全甘ガキ品種‘新秋’は豊産性で食味が優れるが、露地栽培では成熟期に汚損果が発生しやすく、また年によりわずかに渋味が感じられることがある。そこで、無加温ハウス栽培における‘新秋’の果実品質及び収量特性について検討した。
‘新秋’は無加温ハウスで栽培することにより、果実の糖度、果重が増加するとともに果実の着色が良好となり、可溶性タンニン含量が減少した。さらに、汚損果の発生が抑制された。また、樹体の生育は旺盛となり、1樹当たり収量が増加し、収穫期も早まることから無加温ハウス栽培に対する適応性が高いと考えられた。
[キーワード:カキ、果実品質、収量、新秋、無加温ハウス]
Characteristics of Fruit Quality and Yield in Japanese Persimmon 'SHINSYUU' in Unheated Plastic Houses. CHIJIWA Hiroyuki, Kimihiro HAYASHI and Kosaku USHIJIMA (Fukuoka Agric. Res.Cent., Chikushino, Fukuoka 818-8549, Japan) Bull. Fukuoka Agric. Res.Cent. 20: 66 - 70 (2001)
[Key words : fruit quality, persimmon, 'SHINSYUU', unheated plastic house, yield]