福岡県農業総合試験場研究報告20 (2001) pp 17−22
イグサ品種‘筑後みどり’の茎の生育特性と原料材質特性
藤冨慎一1)・内村要介2)・堺田輝貴3)・住吉 強
(筑後分場)
[摘要]7月刈栽培用イグサ品種‘筑後みどり’の出芽日別の茎の生育特性および原料材質特性を栽培時期が異なる2作型について検討した。
‘筑後みどり’の最長茎の出芽時期は‘いそなみ’と同じで、7月1日刈栽培では5月2半旬頃、7月15日刈栽培では5月5半旬頃であった。‘筑後みどり’の茎の伸長速度は、‘いそなみ’よりも出芽直後においては遅いが生育後半には速く、特に7月15日刈栽培では茎の伸長の停滞開始時期が遅いため、刈取期の茎長は‘筑後みどり’が長かった。
7月1日刈栽培における‘筑後みどり’は、最長茎が‘いそなみ’に比べて根元と先端において太く、7月15日刈栽培に比べると全体的に太い傾向がみられ、硬度の均一性も劣るため、7月1日刈栽培より7月15日刈栽培の方が原料材質特性が優れた。
7月15日刈栽培における‘筑後みどり’は、‘いそなみ’と同じ刈取期になっても最長茎になる茎は伸長途中で、硬度が低い傾向にあるため、刈取時期を‘いそなみ’よりもやや遅らせて充実を進める必要があると推察された。
[キーワード:筑後みどり、イグサ、伸長速度、茎の太さ、硬度]
Growth Habit and Material Properties of Stems of a Mat Rush Cultivar 'CHIKUGOMIDORI'. FUJITOMI Shinichi, Yosuke UCHIMURA, Teruki SAKAIDA and Tsuyoshi SUMIYOSHI (Fukuoka Agric. Res.Cent., Chikushino, Fukuoka 818-8549, Japan) Bull. Fukuoka Agric. Res. Cent. 20: 17 - 22 (2001)
[Key words : 'CHIKUGOMIDORI', mat rush, stem elongation seed, stem thinkness, stem hardness]
1)現生産環境研究所 2)現農産研究所 3)現八女分場