福岡県農業総合試験場研究報告18　（1999）　pp　110 - 113

高乾物率の混合飼料（ＴＭＲ）における乾物率および４一ギ酸アンモニウム（ＡＴＦ）添加が調製後の発熱特性に及ぼす影響

磯崎良寛・柿原孝彦・原田美奈子・古賀康弘
（畜産研究所）

[摘要]混合飼料（ＴＭＲ）の調製後の発熱対策のため、ＴＭＲの乾物率が60〜80％の範囲で、乾物率の違いおよび4−ギ酸アンモニウム（ＡＴＦ）添加が、夏期における混合飼料の発熱に及ぼす影響について検討した。
１　ＡＴＦ無添加の場合、乾物率が60％および70％のＴＭＲは調製32時間後までに45℃以上に温度が上昇したが、乾物率が80％のＴＭＲは36.2℃（調製48時間後）が最高到達温度であった。
２　環境温度が高いほど、ＴＭＲの発熱開始が早かった。
３　ＡＴＦを添加したＴＭＲは調製25時間後まで発熱しなかったが、環境温度が高い場合には、乾物率が60％および70％と低いＴＭＲが調製25時間後以降に発熱した。
４　発熱したＴＭＲは、一定時間以上温度が高い状態で推移すると、乾乳牛による採食率が低下した。
　以上の結果、乾物率を80％まで高めること、またはＡＴＦの添加により、ＴＭＲの調製後の発熱が抑制され、調製48時間後まで乳牛の採食率が低下しない給与が可能と考えられる。

［キーワード：混合飼料（ＴＭＲ）、発熱、乾物率、４−ギ酸アンモニウム（ＡＴＦ）、採食率］

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