福岡県農業総合試験場研究報告17(1998) pp 171 - 174
肥育牛におけるルーメン液性状の違いが牛用飼料のインビトロ消化率に及ぼす影響
棟加登きみ子・今村弘子・深江義忠1)
(畜産研究所)
[摘要]加熱圧ペントウモロコシ、皮付き圧ペン大麦、専管フスマ、一般フスマ、乾燥ビール粕、アルファルファヘイキューブ及び稲ワラのインビトロ消化率(IVDMD)をブンゼン・バルブ法(B-IVDMD)と酵素法(E-IVDMD)により分析した。ブンゼン・バルブ法には肥育前期、中期及び後期のルーメン液を用いた。酵素法にはアミラーゼ、アクチナーゼ及びセルラーゼを用いた。
@肉用牛が成長すると、ルーメン液中の酢酸濃度は減少、プロピオン酸濃度は増加した。各肥育ステージ別こ、ルーメン液のpHと総揮発性有機酸(T−VFA)濃度の差(Z>0.05)が認められた。
A肥育前期と中期は、ほぼ同様のB-IVDMDであった。しかし、肥育後期に消化率は低下し、後期のB-IVDMDは前期の0.87〜0.96であった。
B穀類、ヌカ類及び製造副産物のB-IVDMD/E-IVDMDは0.81〜0.98であった。粗飼料のB-IVDMD/E-IVDMDは1.02〜1.19であった。
[キーワード:肉用牛、ルーメン液、飼料、インビトロ消化率]
In Vitro Dry Matter Digestibility of Beef Cattle Feed of the Bunsen-Valve Method and Enzymatic Method. MUNEKADO Kimiko, Hiroko IMAMURA and Yoshitada FUKAE (Fukuoka Agricultural Research Center, Chikushino, Fukuoka 818-8549, Japan) Bull. Fukuoka Agric. Res. Cent.17: 171 - 174 (1998)
[Key words : beef cattle, rumen juice, feed, in vitro dry matter digestibility]
1)前畜産研究所