福岡県農業総合試験場研究報告17(1998) pp 154 - 157
交雑種去勢牛の肥育終了月齢が産肉性に及ぼす影響
古賀鉄也・後藤 治1)・平嶋善典・徳満 茂
(畜産研究所)
[摘要]交雑種去勢牛(黒毛和種♂×ホルスタイン種♀)14頭を用いて肥育終了月齢の違いが産肉性と肉質に及ぼす影響を明らかにするため、23ヵ月齢と25ヵ月齢の2水準を設定し、前期の飼料乾物中TDN水準を75%・粗飼料割合15%、中〜後期の飼料乾物中TDN水準を80%・粗飼料割合を13%として、飼養成績・枝肉成績等について検討した。@出荷体重は23ヵ月齢の687sに比べ25ヵ月齢は733sと重くなったが、20ヵ月齢以後の日増体重は0.64kg/日となりTDN要求率では25ヵ月齢出荷の方が劣っていた。A23ヵ月齢以降は枝肉への脂肪蓄積が進み、25ヵ月齢の肉質は23ヵ月齢に比べて脂肪交雑(BMSNo)・肉のきめ等すべての面で優れ、胸最長筋中の粗脂肪含量も多かった。B成長・肥育に要するTDN要求量の割合は12〜14ヵ月齢のピーク以後20ヵ月齢まで減少し、23ヵ月齢まで一定の値で推移した後、25ヵ月齢にかけて再び減少した。C枝肉の市場評価は25ヵ月齢が高く、肉質等級「4等級」の出現制含は増加し、23〜25ヵ月齢間の飼養管理費を差し引いても25ヵ月齢の方が粗利益・1日1頭当たり収入増加額とも大きかった。以上のことより、交雑種去勢牛の出荷月齢は25ヵ月齢までが適当と思われる。
[キーワード:交雑種去勢牛、肥育終了月齢、TDN要求量、粗脂肪含量]
Influence of Fattening Periods on Productivity in Crossbred Steers. KOGA Tetsuya, Yoshinori HIRASHIMA, Osamu GOTO and Shigeru TOKUMITSU (Fukuoka Agricultural Research Center, Chikushino, Fukuoka 818-8549, Japan) Bull. Fukuoka Agric. Res. Cent.,17: 154 - 157 (1998)
[Key word : crossbred steer, fattening Period, TDN requirement, lipid ratio]
1)現筑豊家畜保健衛生所