福岡県農業総合試験場研究報告17(1998) pp 141 - 145
 
温暖地におけるリンゴ着色系統の果実品質比較と中間台木の違いが生育、収量、果実品質に及ぼす影響
野方 仁・矢羽田第二郎・粟村光男1)
(豊前分場)
 
[摘要]リンゴの‘つがる’着色系統5系統と‘ふじ’着色系統2系統を供試して、果実品質を比較調査し、本県での適応性を検討した。さらに、Mark台木とM.9(−)台木を中間台木に用いて、台木の違いが‘つがる’着色系統‘芳明’及び‘ふじ’着色系統‘選抜放射線ふじ二系’の樹の生育と果実品質に及ばす影響を検討した。‘つがる’着色系統では‘芳明’及び‘家隆つがる’の着色割合と果皮色a値が高く着色が優れたが、‘ふじ’着色系統では、着色に系統間差が認められなかった。‘つがる’及び‘ふじ’着色系統とも1果重、硬度、糖度及び酸度には系統間差がなかった。‘芳明’ではMark中間台木樹はM.9(−)中間台木樹に比べて著しく樹高が低く、1樹当たり収穫果数及び収量が少なかった。‘選抜放射線ふじ二系’もMark中間台木樹はM.9(−)中間台木樹に比べて樹高が低く、樹幅も小さかったが、1樹当たり収穫果数及び収量は多かった。‘芳明’のMark中間台木樹はM.9(−)中間台木樹に比べて果実の着色が良好で糖度も高かった。‘選抜放射線ふじ二系’のMark中間台木樹はM.9(−)中間台木樹に比べて硬度がやや低かったが、他の果実品質に差は認められなかった。
[キーワード:リンゴ、着色系統、果実吊質、中間台木、生育]
1)現園芸研究所
 
 Comparisons of Fruit Quality Effects of Different Interstocks on Growth, Yield and Fruit Quality in Apple Color Strains in a Warm Region of Japan. NOGATA Hitoshi, Daijirou YAHATA and Mitsuo AWAMURA (Fukuoka Agricultural Research Center, Chikushino, Fukuoka 818-8549, Japan) Bull. Fukuoka Agric. Res. Cent.,17: 141 - 145 (1998)
[Key word : apple, color strain, fruit quality, interstock, growth]
 
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