福岡県農業総合試験場研究報告17(1998) pp 124 - 128
エチクロゼートによるカキ‘西村早生’の着色促進効果
千々和浩幸・林 公彦・牛島孝策
(園芸研究所)
[摘要]エチクロゼートがカキ‘西村早生’の果皮色および果実品質に及ばす影響について1995年から1996年の2年間検討した。果皮色のカラーチャート値および累積収穫果率はエチクロゼート80ppm、40ppm、無処理の順で高く推移し、収穫盛期はそれぞれ7日、4日早まった。果実肥大や果肉硬度及び糖度には影響がみられなかった。また、収穫果実の日持ち性は処理により高くなる傾向を示した。両年とも処理により葉の下垂、巻葉がみられ、加えて1996年には第1回目の処理後に落葉が発生した。落葉率は、薬剤の濃度が高いほど高く、エチクロゼート80ppmでは48.7%の葉が落葉した。以上のことから、‘西村早生’における着色促進の効果はエチクロゼート80ppmで顕著であるが、落葉率が高くなり次年度以降の樹勢への影響が懸念されることから、エチクロゼートの濃度は‘富有’で実用化されている40ppmが適当と考えられた。
[キーワード:カキ、西村早生、エチクロゼート、果皮色]
Effect of ethychlozate on the peel coloring of the Japanese Persimmon 'NISHIMURA-WASE'. CHIJIWA Hiroyuki, Kimihiro HAYASHI and Kosaku USHIJIMA (Fukuoka Agricultural Research Center, Chikushino, Fukuoka 818-8549, Japan) Bull. Fukuoka Agric. Res. Cent.,17: 124 - 128 (1998)
[Key word : persimmon, 'NISHIMURA-WASE', ethychlozate, peel color]