福岡県農業総合試験場研究報告17号(1998) pp 92 - 96
トマトの幼苗接ぎ木法における接ぎ木前・順化後の温度が花房着生節位および異常果発生に及ぼす影響
月時和隆・山本幸彦・満田幸恵
(園芸研究所)
[摘要]トマト幼苗接ぎ木苗における第1花房の高節位への着生抑制と異常果の発生条件の検討を目的として、品種‘ハウス桃太郎’を供試し接ぎ木前の温度、順化後の温度および順化後の低温遭遇期間と接ぎ木苗の生育との関係を検討し、次のことを明らかにした。@接ぎ木前の苗を昼温20℃、夜温10℃(以下、20/10℃)に遭遇させることにより、第1花房は本葉9節位程度に安定的に着生した。A順化後の花芽分化株率が20%の苗をその後20/10℃に遭遇させることにより、35/25℃及び30/20℃と比較して花芽分化が促進され、第1花房は本葉9節位程度に着生した。B順化後20/10℃に11日間遭遇すると低節位において窓あき果や乱形果等の異常果の発生が増加した。
[キーワード:トマト、接ぎ木苗、温度、第1花房、順化、異常果]
Effects of Temperature on Flower Bud Differentiation and Occurrence of Malformed Fruits on Grafted nursery Tomatoes. TSUKIJI Kazutaka, Yukihiko YAMAMOTO and Yukie MITSUDA (Fukuoka Agricultural Research Center, Chikushino, Fukuoka 818-8549, Japan) Bull. Fukuoka Agric. Res. Cent.,17: 92 - 96 (1998)
[Key word : tomato, grafted nursery, temperature, the 1st inflorescence, acclimation, malformed fruits]