福岡県農業総合試験場研究報告17(1998) pp 83 - 86
イチゴの収穫における作業車利用による作業能率の向上と労働負担の軽減
森山友幸・真鍋尚義・金丸 隆1)・徳永優子2)・堀田祐子3)
(園芸研究所)
[摘要]イチゴ収穫作業の効率化と軽作業化を図るため、作業車利用による収穫方法が作業能率と労働負担に及ぼす影響を検討した。畝溝歩行での手作業におけるa当たり収穫果数と作業能率との間には、正の相関が認められた。収穫作業における作業能率の評価は、単位面積当たり収穫果数を基に考察することが重要である。a当たり収穫果数が500果程度の場合、畝溝歩行での収穫の作業能率は外成り畝の1条収穫、外成り畝の2条収穫、内成り畝の1畝(2条)収穫の順に高かった。作業車利用での作業能率は、a当たり収穫果数が約350果以上の場合、畝溝歩行収穫とほば同等だった。また、内成り畝の2畝(4条)を同時に収穫する方法が外成り2条を同時に収穫する方法に比べ効率的であった。作業車利用による収穫は、畝溝歩行収穫に比べて前屈みの作業姿勢がなくなるとともに、背中、腰部、足部の筋負担を軽減することができた。また、足蹴り作業車利用による収穫は、電動作業車利用に比べて足部の負担が大きかった。
[キーワード:イチゴ、作業車、作業能率、作業姿勢、心拍数、筋負担]
Improvement in work efficiency and labor savings in harvesting strawberries with use of a riding cart. MORIYAMA Tomoyuki, Hisayosi MANABE, Takasi KANAMARU, Yuuko TOKUNAGA and Yuuko SAKAIDA (Fukuoka Agricultural Research Center, Chikushino, Fukuoka 818-8549, Japan) Bull. Fukuoka Agric. Res. Cent.,17: 87 - 91 (1998)
[Key word : strawberry, cart, working efficiency, working posture, heart rate, muscle burden]
1)現八女農業改良普及センター、2)南筑後農業改良普及センター、3)築上農業改良普及センター