福岡県農業総合試験場研究報告17(1998) pp 48 - 52
日本のビール大麦系統間のRFLP検出頻度
山口 修・矢野昌裕1)・佐々木卓治1)
(農産研究所)
[摘要]日本のビール大麦育種へのRFLP利用の可能性を明らかにする目的で、日本のビール大麦13品種・系統、及び外国の3品種、計16品種・系統聞のRFLP検出頻度を調査した。North American Barley Genome Mapping Project(NABGMP)で作成された51種のプローブを用いて、ECL法によるサザンハイブリダイゼーションを行ったところ、34
プローブで特異的なバンドが検出できた。この34プローブ中のRFLP検出頻度は、外国品種間あるいは外国品種と日本の品種・系統間の組合せが、日本品種・系統間の組合せより高かった。しかしながら、日本品種・系統間でも外国品種間並にRFLPを示す組合せも存在した。本品種・系統間でRFLPを示すプローブの連鎖地図上の座位は、特定の染色体上に偏らず、全染色体に散在していた。また近縁係数とRFLP検出頻度には有意な負の相関があった。以上の結果から、ビール大麦育種におけるRFLP利用の可能性が示唆された。
[キーワード:近縁係数、ECL法、ビール大麦、RFLP]
The Frequency of RFLP among Japanese Malting Barley Varieties. YAMAGUCHI Osamu, Masahiro YANO and Takuji SASAKI (Fukuoka Agricultural Research Center, Chikushino, Fukuoka 818-8549, Japan) Bull. Fukuoka Agric. Res. Cent.,17: 48 - 52 (1998)
[Key word : coefficient of parentage, ECL method, malting barley, RFLP]
1)農業生物資源研究所 / STAFF・イネゲノム研究チーム