福岡県農業総合試験場研究報告17(1998) pp 32 - 35
 
イネ苗及び野菜に対するスクミリンゴガイの選好性と摂餌行動
福島裕助・中村晋一郎1)・藤吉 臨2)
(筑後分場)
 
[摘要]スクミリンゴカイ発生田への野菜投入によるイネ苗の被害回避の可能性を探ることを目的として、イネ苗及び野菜に対するスクミリンゴカイの選好性と摂餌行動を明らかにした。水槽内で、イネ苗と数種の野菜を同時に与えると、イネ苗よりもメロン、スイカ、レタス、ナス及びトマトに対する貝の付着または摂食頭数が多かったことから、スクミリンゴガイは、これらの野菜に対する選好性が高いと判断された。また、選好性の高いメロンとナス、選好性の低いイネ苗とタマネギを同時に与えて、スクミリンゴガイの摂餌行動を観察すると、本貝は比較的短時間に選好性の高い食餌を認識した。また、選好性の低い食餌に一次付着した貝は、その後、選好性の高い食餌へ移動した。さらに、選好性の高いメロンやナスヘの付着時間はイネ苗よりも明らかに長かった。これらの結果から、水田へ選好性の高い野菜を投入することによって、スクミリンゴガイによるイネの被害を回避できる可能性のあることが示唆された。
[キーワード:スクミリンゴガイ、イネ苗、選好性、野菜、摂餌行動]
 
 The Apple Snails preference and feeding behavior for rice seedlings and vegetable crops. FUKUSHIMA Yusuke, Shin-ichiro NAKAMURA and Nozomu FUJIYOSHI (Fukuoka Agricultural Research Center, Chikushino, Fukuoka 818-8549, Japan) Bull. Fukuoka Agric. Res. Cent.,17: 32 - 35 (1998)
[Key word : the apple snail, rice seedling, preference, vegetable, feeding behavior]
 
1)現八女分場、2)現経営情報課
 
全文 (full text ) (pdf 518KB)
 
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