福岡県農業総合試験場研究報告14（1995）　pp 199 - 202

早期水稲後地に適する飼料作物の晩夏播き栽培と冬期におけるサイレージ調製

太田剛・柿原孝彦・馬場武志

　早期水稲後地を自給飼料生産に有効利用するために，飼料作物の晩夏播き栽培の導入を図り，適草種及び冬期に収穫した飼料作物のサイレージ調製について，二条大麦，エンバク，イタリアンライグラスを用いて比較検討した。�@早期水稲後地を利用して，飼料作物の晩夏播きを行うことは可能であり，二条大麦・イタリアンライグラス混播とエンバク・イタリアンライグラス混播は２番草まで収穫すれば，各草種の単播よりも安定多収で，早期水稲後地での晩夏播き栽培に適していた。�A晩夏播きした飼料作物を冬期に収穫し，無予乾で調製したサイレージは，いずれの草種においても発酵が進まず，酪酸を含まない，乾物回収率の高いサイレージであった。�B冬期に調製するサイレージは糖の添加効果が認められず，調製にあたっては糖を添加する必要がなかった。