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■■■農総試インフォメーション■■■

福岡県農業総合試験場メールマガジン

●第99号(20124月27日発行)

●発 行 者 福岡県農業総合試験場

研究企画部 知的財産活用課

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メールマガジン4月号をお届けします。

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○今月の内容○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

・トピック

  ○パスカルさん

・旬もの生育状況

  花ワサビ・ラー麦・二条大麦

・福岡県の主な農産物の生産状況

・病害虫発生予報(4月)

・生育情報(麦)

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◆トピック◆

○パスカルさん

 

週末、車にガソリンを入れようとサービスステーションに行ってびっくり。

 

1リッター157円!

 

そうか。イラン情勢が不安定だからそれが響いて原油が高騰してるんだってテレビで言ってたな。

 

1円でも安いところを探し、車であちこち走りまわった挙句、それに使ったガソリンと安くなった分を比較計算し、「実は俺、損したんじゃないか・・」などと暗くなってみたりする。

 

お金というシステムを作った我々人間は、時としてお金に振り回され、馬鹿らしいことをしてしまうのである。

 

 

マイカーのガソリン代くらいなら笑い話で済むのだが、これが生業に関わってくると笑えない。

 

 

 

スーパーの野菜売り場では年中、様々な野菜がならんでいる。旬であるとそうでないに関わらずいつでも好きな野菜を買うことが出来るようになった。

 

ナスもその一つだ。いつでも売っている。

 

ナスの本来の旬とはいつだろう。

 

秋茄子は嫁に食わすな、である。元々7月から11月。

 

露地の畑で栽培されたものがこの時期に出荷される。

 

栽培しやすくてみんなが作ってる時期にどさーっと出荷するとどうなるか。

 

いくら旬だからといっても食べる量が倍増するわけもなく、ナスの方があぶれてしまう。

 

結果、ナスの値段は暴落し、農家が困ってしまうのである。

 

そこで、旬じゃない時期にナスを作ったら高い値段で売れるんじゃないか?とビニールハウスで栽培して、人が出荷しない時期に出荷する農家がいる。

 

 

そういうわけで、福岡県には本来の旬である7月から11月に出荷されるナスと、その逆の12月から6月に出荷するナスが存在し、店頭には一年中ナスが並んでいるのである。

 

 

12月から6月に出荷するとなると、その栽培時期の大部分は寒い冬。

 

晴れている昼間ならともかく、冬の夜は冷え込む。福岡といえど氷点下になる日もある。

 

ビニールハウスであってもナスが育つ温度まで気温が上がらず、重油を焚いて中の温度を温めることになるのだ。

 

計算すると10アールあたり年間6,300リットルの重油が必要。1リットル80円の後半。

 

福岡県の施設ナスの平均作付面積は20アールちょいだから年間100万円以上重油を焚いている。

 

旬でない時期、人工的に環境を整えて野菜を栽培するには、結構お金がかかる。そして、今日の原油価格の高騰はモロに農業経営を直撃するのである。

 

この問題を解決するため、福岡県で開発した新しい技術がある。

 

ナスのハウスで、暖房機から直接温風を出すのではなく、ダクトと呼ばれるビニールのパイプをハウス内に巡らせる方法。

 

このダクトをナスが植わっている地際に這わせてナスの株元を暖め、さらに暖められた株元の熱が逃げないようにビニルフィルムでトンネルを作り、株元を覆ったのだ。

 

「トンネルと枝ダクトを組み合わせた促成ナスの低コスト株元加温技術」である。

 (写真)⇒http://farc.pref.fukuoka.jp/mailmaga/nasukabumotokaon.pdf

 

寒い夜に布団に布団乾燥機のノズルを突っ込んでぬくぬ〜くとして寝る感じ。

 

 

ナスの株元を集中的に暖めることで、従来の加温より多い収量を得ることができる。ハウス内の最低温度を2度下げても同じ収量が得られるという。

 

「2度下げる」と言われてもピンとこないが、重油に換算すると使用量が半分以下に減るのだ。

 

この技術導入に必要なのは、株元の熱を逃がさないために覆うトンネル資材と加温用枝ダクトのみ。開発当初は電熱線での加温を考えたが、装置が高価なため安価なダクトで既存の加温機を使う方式にした。

 

暖房コストを下げ、なおかつ収量を向上させる。しかも、導入するコストが安く済む、という技術なのだ。

 

こういう植物の一部を加温して効果を狙う技術は局所加温と総称され、トマトやイチゴ、花等で開発されている。

 

イチゴではこれから芽が伸びようとする生長点が集まる苗のクラウンという部分を加温する。

 

これだと、なんとなくいい感じになってイチゴの元気が出そうな気がするのだが、ナスの茎を暖めるったって、そりゃ〜暖められたほうも「茎を暖められてもねぇ」と困惑されそうだ。

 

あの細い茎を暖めることで、これほどの効果があるとは正直、驚いた。地温も同時に暖めるが、茎を暖めることで効果が得られるという。

 

実際、開発した本人に聞いてみると、最初は「茎はただのパイプなんだから、それを暖めることに何の意味も無い」とダメだしを食らったという。

 

そうだろうそうだろう。

 

結果を見ていなけりゃ、俺もそう思う。

 

ナスの茎をナメてはいけない。あの細い茎の中にはきっと人間の及び知らない世界があるに違いない。

 

 

昔、「人間は考える葦である」とフランスのブレーズパスカルは言った。

 

この細い茎達。

 

ガソリンの値段に右往左往する人間様よりも、実は深〜く考えているのかもしれないのである。(て)

 

  詳しくはこちらへ⇒http://farc.pref.fukuoka.jp/farc/shuyosei/H2303/shu04.pdf

 

◆旬もの生育状況◆

 農業総合試験場が研究している農作物の生育状況をお知らせします。

◇花ワサビ・・・花が咲きました。(4月上旬)

 写真⇒http://farc.pref.fukuoka.jp/mailmaga/hanawasabi.pdf

 

◇ラーメン用小麦(ラー麦)・・・大麦とのちがいは・・・

 写真⇒http://farc.pref.fukuoka.jp/mailmaga/ra-mugi0426.pdf  

  

◇二条大麦・・・小麦とのちがいは・・・

  写真⇒http://farc.pref.fukuoka.jp/mailmaga/oomugi.pdf

 

◆福岡県の主な農産物の生産状況◆ (専技情報より抜粋)

  早期水稲・麦・イチゴ・茶について

生産状況をお知らせします。(4月16日現在) 

http://farc.pref.fukuoka.jp/mailmaga/joukyou/1204joukyou.pdf

 

 

◆病害虫発生予報◆          

・病害虫発生予報第1号(4月)     

病害虫発生量の予想や防除上注意すべき事項が掲載されています。       

詳細は病害虫防除所HPへ。      

 http://www.jppn.ne.jp/fukuoka/ 

 

 

◆生育情報(麦)◆

当試験場のホームページでは、農作物の生育状況を公開しています。

<更新情報>

・生育概況

・麦の生育情報と対策(426日現在)

 農産部のホームページ

 http://farc.pref.fukuoka.jp/organization/nosan/index.html

 

 

◆その他◆

 最後までお読みいただきありがとうございます。

 

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 あて先:chizai@farc.pref.fukuoka.jp

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