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■■■ 農総試インフォメーション ■■■

福岡県農業総合試験場メールマガジン

●第10号(2004年11月11日発行)

●発行者 福岡県農業総合試験場   

企画情報部 知的財産管理課

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メールマガジン第10号(11月号)をお届けします。

 本年の台風と長雨は、多くの農作物に深刻な影響を残しています。

先々月と先月に続き、今月の「主要農産物の生産状況と対策」も台風後と長雨対策が中心です。

 

○今月の内容○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

・気象予報

・病害虫発生予報

・生育情報(果樹)

・主要農産物の生産状況と対策

・農総試成果情報

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◆気象予報◆

向こう1ヶ月の気象予報(福岡管区気象台11月5日付け発表)

九州北部地方では、天気は数日の周期で変わります。向こう一ヶ月の気温は平年並み、降水量は平年並み、日照時間は平年並みと予想されています。

 

◆病害虫発生予報◆

病害虫発生予報第8号(11月)が発表されました。野菜(イチゴ、レタス、キャベツ、アスパラガス、ナス、ネギ、野菜共通)について、病害虫発生量の予想や防除上注意すべき事項が掲載されています。

 

詳細は病害虫防除所HPへ。

 http://www.jppn.ne.jp/fukuoka/ 

 

◆生育情報◆

 当試験場のホームページでは、農作物の生育状況を公開しています。

<更新情報>

・果樹生育概況(常緑果樹・落葉果樹、11月1日現在)

  カンキツ、スモモ、ナシ、キウイの生育段階、病害虫の発生状況等を掲載しています。

果樹部ホームページURL

 http://farc.pref.fukuoka.jp/organization/kaju/index.html

 

主要農産物の生産状況と対策(11月1日現在)

水稲、大豆、イチゴ、青ネギ、アスパラガス、キャベツ、ブロッコリー、温州ミカン、カキ、洋ラン、シクラメン、肉用牛について生産状況と対策をお知らせします。

 

●水稲

収穫はほぼ終了しています。本年は台風18号の風害より、中晩生品種で不稔籾、発育停止粒、未熟粒が多く発生し、熟期が遅いものほど登熟歩合の低下が大きく低収量となっています。また、台風23号で一部の地域の中晩生品種で脱粒が発生しています。10月15日現在の作況指数は83で、「著しい不良」です。

 

●大豆

サチユタカは葉の黄化が進んでおり、収穫時期は11月2半旬となる見込みです。フクユタカも葉の黄化は進んでおり、収穫時期は平年並みと予想されます。しかし、倒伏株に再生葉が発生している場合は、再生葉の黄化、茎水分の低下とも遅いため収穫時期は例年より遅くなります。

早めに青立ち株や雑草を抜き取り、サチユタカは茎水分が低下したら速やかに収穫を行ってください。倒伏が激しいほ場は、土壌の乾燥状況を見ながら収穫時期を決定してください。

 

●イチゴ

 降雨や台風24号の懸念からビニル被覆(普通期はマルチも)作業が遅れ、生育は遅れ気味です。生育ステージは、早期で出蕾〜着果期、普通期は全般に活着後の生育が悪く、出蕾前です。マルチング、ビニル被覆が終了していないところは作業を急いでください。早期の中で生育の早いところは、開花期に台風23号の風害とその後の降雨に遭遇したため、奇形果の発生が懸念されます。早期の2番果房の花芽は、10月23日現在で約70%が分化期以降となっていますが、生育旺盛な株は未分化です。炭疽病、ダニの防除を行ってください。

 

●青ネギ

 生育適温期に入り、順調な生育をしていますが、ほ場によってはシロイチモンジヨトウの被害が見られます。台風被害により9月中旬以降出荷量が減少しましたが、徐々に回復基調となっています。

防虫ネットは周年設置し、害虫を低密度に抑えてください。台風によりビニルが破損したハウスでは、塩類の溶脱が予想されるので、pH、EC測定後に施肥量を決めてください。

 

●アスパラガス

 台風によるハウス倒壊を防ぐためにビニルを除去したハウスが多く、斑点病や茎枯れ病が発生しています。夏季の高温および台風による根痛みの影響で9月以降の収穫量は少なくなっています。天井ビニルを被覆していないハウスは早期に被覆してください。斑点病や茎枯れ病の薬剤防除を徹底し、茎枯れ病に罹病した茎の刈り取り除去を行ってください。全刈り後、火炎放射機による茎葉残渣の消却を行ってください。

 

●温州みかん

 極早生温州ミカンの出荷は、10月末までで終了しました。10月下旬から早生温州ミカンの出荷が始まっています。早生温州のブランド商品は品質も良好で、市場における品質調査でも他県産ブランドと遜色ない状況です(10月25日大阪:本県糖度11.8、熊本12.1、和歌山10.5、入荷平均10.8)。ただし、レギュラー品の品質は低糖低酸の状況です。台風被害による果実損傷等の影響で腐敗果が多いことから、出荷に際しては家庭選果を徹底してください。

 

●カキ

台風16号、18号、23号の直接被害に加え、9月9日以降の約3週間の連続降雨によって甚大な二次被害が発生しています。降雨による二次被害の内容は、炭そ病、腐敗果、急激な肥大によるヘタスキの誘発、糖度の低下、日持ち性の低下等です。さらに8月以降、フジコナカイガラムシが増加し、これらの二次被害やフジコナカガラムシとの合併症状により、松本早生富有、富有においても樹上で腐敗果、軟熟果が多発しています。松本早生富有が10月いっぱいで終了し、11月から富有に切り替わります。果実品質は糖度が低く、傷果が多く、日持ちが悪い状況です。炭そ病被害果は随時摘果し、園内の蔓延を防ぐため園外に持ち出して処分してください。また正品にヤワ果、傷果が混入しないよう、選果・選別を徹底してください。

 

●洋ラン

年末需要のシンビジュームは、台風の影響により、葉の傷等が発生しており、品質は例年に比べ低下気味です。ダニ類の発生防止のため、防除を徹底してください。

 

●シクラメン

  夏季の高温の影響で、生育がやや遅れ気味であり、本格的な出荷時期は11月上旬からになる予定です。夏季にヨトウムシ、スリップスの被害が一部に見られたものの、秋季からの防除の徹底により商品性に影響はない見込みです。ホコリダニの発生防止のため、初期防除を徹底してください。

 

●肉用牛

 長雨により稲ワラ収集が不十分な農家は、早めに稲ワラおよび乾牧草を確保し、翌年度に腹づくりの劣る肥育牛に仕上がらないように注意してください。

 

◆農総試成果情報◆

(全国農業新聞福岡版「研究最前線」10月29日掲載 )

 

かき「太秋」の平棚栽培

 

 かき「太秋」は強い甘味とサクサクした独特の歯触りがあり、新しいタイプのかきとして注目されている。「富有」や「松本早生富有」は雌花(めしべのみを持ち、のちに果実となる花)だけが着生する品種であるが、「太秋」は雄花(おしべのみを持つ花)も着生する品種であり、さらに樹齢とともに雄花が増加し、雌花が減少して収穫できる果実数が少なくなる。そのため樹齢に関係なく安定生産するには、雌花を安定して確保することが課題となる。そこで福岡県農業総合試験場では、着花の安定と結果母枝(果実を着ける枝)の確保に有効とされる平棚仕立て栽培(以下平棚栽培)を「太秋」に適用して検討を行った。

平棚栽培は、栽培の省力化と軽労働化を目的として開発された技術であり、「富有」や「松本早生富有」において、果実肥大や着色など果実の品質が向上することが知られている。「大秋」を平棚で栽培すると、従来の立技仕立てでは樹形を乱すために切除されていた強大な枝や枝上部から発生した枝を平棚に誘引することにより、次作の優良な結果母枝として利用できる。その結果、立ち木栽培に比べて結果母枝数が2〜3割多く確保できた。平棚栽培では1結果母枝当たりの雌花数は立ち木栽培と同程度であるが、結果母枝数が多いため1樹当たり雌花数は平棚栽培の方が多く、平棚に移行してから3カ年の累積収穫果数は立ち木栽培に比べて4割程度多くなった。また、果実肥大が良好で1果実重が増加し、平棚に移行してから3カ年の累積の収量は立ち木栽培に比べて5割程度増加した。このように「太秋」の平棚栽培では、雌花が安定して確保され、収量を増加させることができる。

果樹部 0929224946

 

その他

・「ふれあいウイーク」の開催

当試験場で恒例の「ふれあいデー」を10月23日(土)に開催しました。晴天にも恵まれ、たくさんの方にご来場いただきました。展示コーナーでは、「明日の食と農を拓く新技術」をテーマに最新の試験研究成果を展示し、体験コーナーでは動物とのふれあいや芋掘り、麺作り体験等を行いました。この他、展示即売コーナーやスタンプラリーにも多数参加いただきありがとうございました。当日の様子は、後日ホームページでご紹介します。

 

・次号予定

 最後までお読みいただきましてありがとうございます。

次号は12月上旬配信予定です。

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