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■■■ 農総試インフォメーション ■■■

福岡県農業総合試験場メールマガジン

●第9号(2004年10月8日発行)

●発行者 福岡県農業総合試験場   

企画情報部 知的財産管理課

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メールマガジン第9号(10月号)をお届けします。

 台風と長雨の影響で、多くの農作物に深刻な被害が出ています。

先月に続き、今月の「主要農産物の生産状況と対策」も台風後と長雨対策が中心です。

 

○今月の内容○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

・気象予報

・病害虫発生予報

・生育情報(水稲・果樹)

・主要農産物の生産状況と対策

・農総試成果情報

「ふれあいウイーク」の開催日程

当試験場で恒例の「ふれあいデー」を10月23日(土)に開催します。

「試験場探検デー」は、10月18日(月)〜22日(金)です。

皆様のご来場をお待ちしております。

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◆気象予報◆

向こう1ヶ月の気象予報(福岡管区気象台10月1日付け発表)

九州北部地方では、天気は数日の周期で変わりますが、平年と同様晴れの日が多いでしょう。向こう一ヶ月の気温は高く、降水量は平年並み、日照時間は平年並みと予想されています。

 

◆病害虫発生予報◆

病害虫発生予報第8号(10月)が発表されました。果樹(カンキツ類、カキ)、野菜(イチゴ、キャベツ、レタス、アスパラガス、ネギ)について、病害虫発生量の予想や防除上注意すべき事項が掲載されています。

 

詳細は病害虫防除所HPへ。

 http://www.jppn.ne.jp/fukuoka/ 

 

◆生育情報(水稲・果樹)◆

 当試験場のホームページでは、農作物の生育状況を公開しています。

・大豆の生育状況(9月21日現在)

 農業総合試験場における生育概況と対策(水管理・施肥)を掲載しています。

農産部ホームページURL

http://farc.pref.fukuoka.jp/organization/nosan/index.html 


・果樹生育概況(常緑果樹・落葉果樹、10月1日現在)

  カンキツ、スモモ、ナシ、キウイの生育段階、病害虫の発生状況等を掲載しています。

果樹部ホームページURL

 http://farc.pref.fukuoka.jp/organization/kaju/index.html

 

主要農産物の生産状況と対策

水稲、大豆、イチゴ、青ネギ、アスパラガス、温州ミカン、ナシ、カーネーション、花き苗物、豚、鶏卵について生産状況と対策をお知らせします。

 

●水稲

「夢つくし」は倒伏と降雨の影響で収穫が大幅に遅れ、多くのほ場で穂発芽が発生しました。「つくしろまん」は、「夢つくし」の収穫の遅れと降雨により収穫が遅れています。

9月も気温が高く推移したため、「ヒノヒカリ」以降の熟期の品種も成熟期が2〜4日早くなると予想されます。

中晩生品種は、台風16号、18号の影響で籾の変色、枝梗の枯れ上がりが発生しているため、成熟期に収穫した場合でも薄茶米の発生等玄米品質低下が懸念されます。今後、気温が高く推移すれば、成熟期はさらに早くなるため、刈り遅れにならないように留意してください。

 

●大豆

台風16号、18号による倒伏とその後の降雨により、着莢数は平年より少ない傾向です。平年に比べ、主茎長はやや長く、主茎節数はやや多いですが、着莢数は10%程度少なくなっています。また、倒伏と9月中旬以降の長雨の影響で子実の肥大が良くない状況です。ほ場内に停滞水が生じないよう、排水対策を十分に行ってください。

 

●イチゴ

 普通作型は、9月20日頃を中心に花芽が分化しています。降雨により定植が遅れています。定植が遅れているほ場は出来る限りの対策(排水、雨よけ等)を行ってください。定植後、炭疽病の発生が見られ、ハスモンヨトウの発生も多くなっています。活着後は炭疽病、ハスモンヨトウの防除を行ってください。

 

●青ネギ

 本年度は安定した出荷が続いていましたが、台風18号の襲来による施設倒壊や被覆資材の破損により9月中旬以降、出荷量が激減しています。現在の播種時期は、収穫期が年内から年明けの需要期になる重要な時期に相当します。被副詞節の修復やビニル被覆作業を計画的に進めるとともに、出荷時期の収穫期間を勘案した播種計画を立ててください。

 

●アスパラガス

 台風16,18号通過後、株の倒伏や根痛みにより収穫量が減少しています。9月中旬の出荷量は前年の75%です。ヨトウムシ類、斑点病の発生が多いです。ヨトウムシ類、斑点病、茎枯病防除のための薬剤散布を徹底してください。10月上旬に追肥(窒素成分で3〜4kg/10a)し、10月以降に萌芽した若径は全て収穫して、整枝、剪定は出来るだけ控えてください。

 

●温州みかん

 極早生温州ミカンの販売は9月16日から開始されました。露地ミカンの生育状況は、農総試調査の9月15日時点の果実横径で、極早生58.9mm(平年比104%)、早生60.6mm(同110%)、普通63.3mm(同111%)。果実品質は9月20日時点の糖度で、極早生8.1(平年7.8)、早生7.3(同7.4)、普通7.5(同7.6)です。クエン酸は極早生0.94(平年1.18)をはじめ、近年の中では低い傾向です。

降水が多いため、裏溝設置等の園内排水対策を講じ、乾燥に努めてください。台風被害により、傷果が多いため、腐敗果等を出さないように出荷に際しては家庭選別を徹底してください。

 

●ナシ

 「豊水」の出荷は9月中旬で終了し、現在は「新高」が出荷中で10月上旬まで続きます。10月中旬以降は、「新興」、「愛宕」等の晩生種に移行します。「豊水」は一部の産地で台風16号による落果、落葉被害を受け、「新高」以降の晩生種は全県下で台風18号により落果、落葉の被害を受けて収量が大幅に減少する見込みです。また、全県下で発育枝の葉が破損または落葉しており、今後落葉の激しい園では再発芽、不時開花の可能性があります。再発芽、不時開花すると貯蔵養分が減少し、次年度の花芽不足、初期生育不良が予想されるため、せん定では充実した結果枝を確保してください。元肥は落葉程度に応じて減らし、発芽以降、葉色を見ながら追肥、葉面散布で補ってください。

降水が多いため、園内排水対策を講じ、乾燥に努めてください。台風による落果を免れた果実も、擦れ傷果、打ち傷果が多いため、出荷の際には厳選し、区分出荷をしてください。

 

●カーネーション

6月中旬に定植した株の切り花出荷が、10月中旬から始まり来年5月まで続く見込みです。ヨトウガ類の被害防止対策として、黄色蛍光灯の設置が定着し、効果を上げています。ハダニの発生が懸念されるため、初期防除に努めてください。

 

●花き苗物

  10月中旬から花壇苗の本格的出荷時期を迎えます。年内はパンジー、ビオラが出荷中心品目となります。生育は、9月以降の曇天の影響で平年に比べ遅れ気味です。

 

●豚・鶏卵

 7月および8月の記録的猛暑や夏バテにより豚および鶏の繁殖成績は11月以降まで低下するので、早めにビタミン投与、飼育密度低減に努めてください。

 

◆農総試成果情報◆

(全国農業新聞福岡版「研究最前線」9月24日掲載 )

「天敵を利用したイチゴの減農薬栽培の普及をめざして!」

 

安全・安心な食を求める声が高まる中、可能な限り農薬の使用量を減らして栽培した農作物が求められています。そこで、福岡県農業総合試験場では、本県の主要な作物であるイチゴを加害する、ハダニ類とアブラムシ類の天敵を簡易に利用できる技術を開発し、これらの天敵昆虫類の利用マニュアルを作成しました。ハダニ類の天敵であるチリカブリダニの利用面積は平成12年では約5haでしたが、マニュアル作成後の平成15年には約100haに達しました。また、アブラムシ類の天敵であるコレマンアブラバチの利用も平成14年以降、徐々に増加しています。

 今後は、ハダニ類、アブラムシ類以外の鱗翅目害虫、アザミウマ類、うどんこ病および灰色かび病に対しても天敵昆虫類や拮抗微生物などの利用法を明らかにし、農薬使用回数を現在より50%減らした防除体系の確立・普及をめざします。

 

【チリカブリダニとコレマンアブラバチの利用法の概要】

 チリカブリダニは、ハダニ類が増加する時期に計画的に放飼します。放飼する時期・回数は、ハウスのビニル被覆直後の10月下旬頃とその約1ヶ月後、年明けにハダニ類の増加が始まる1月下旬〜2月上旬とその約1ヶ月後の合計4回です。1回の放飼頭数は10アール当たり2,0003,000頭で、放飼前にハダニ類の密度が高い場合は天敵昆虫類に影響が少ない選択性の薬剤で防除しておきます。コレマンアブラバチは、アブラムシの発生に気づいた時点で放飼を開始します。1回につき10アール当たり5001,000頭を、1週間間隔で2〜3回放飼します。コレマンアブラバチは低温でも活動できるため、ビニル被覆条件であればいつでも高い効果が期待できます。  

(福岡県農業総合試験場病害虫部 電話 092−924−2938)

 

その他

・「ふれあいウイーク」の開催日程

当試験場で恒例の「ふれあいデー」を10月23日(土)に開催します。「試験場探検デー」は、10月18日(月)〜22日(金)です。

皆様のご来場をお待ちしております。

詳しくは下記URLへ(PDFファイルです)。

 http://farc.pref.fukuoka.jp/hureai.PDF

 

・次号予定

 最後までお読みいただきましてありがとうございます。

次号は11月上旬配信予定です。

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