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■■■ 農総試インフォメーション ■■■

福岡県農業総合試験場メールマガジン

●第6号(2004年9月10日発行)

●発行者 福岡県農業総合試験場

企画情報部 知的財産管理課

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メールマガジン第8号(9月号)をお届けします。

台風16号と18号により、県内各地に大きな被害が出ています。

(今回の「主要農産物の生産状況と対策」は、台風後の対策が中心です)

 

○今月の内容○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

・気象予報

・病害虫発生予察情報

・生育情報(水稲・果樹)

・主要農産物の生産状況と対策

・農総試成果情報

・その他 

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◆気象予報◆

向こう1ヶ月の気象予報(福岡管区気象台9月3日付け発表)

九州北部地方では、天気は数日の周期で変わるでしょう。向こう一ヶ月の気温は、平年並みか高く、降水量は平年並みか多く、日照時間は平年並みと予想されています。

 

◆病害虫発生予察情報・速報◆

病害虫発生予察情報第6報(9月)が発表されました。水稲、大豆、果樹(カンキツ類、カキ)、茶、野菜(アスパラガス、ネギ)について、病害虫発生量の予想や防除上注意すべき事項が掲載されています。

 

詳細は病害虫防除所HPへ。

 http://www.jppn.ne.jp/fukuoka/ 

 

◆生育情報(水稲・果樹)◆

 当試験場のホームページでは、農作物の生育状況を公開しています。

・普通期水稲の生育状況

 農業総合試験場における生育概況と対策(水管理・施肥)を掲載しています。

農産部ホームページURL

http://farc.pref.fukuoka.jp/organization/nosan/index.html 


・果樹生育概況(常緑果樹・落葉果樹、9月1日現在)

  カンキツ、スモモ、ナシ、キウイの生育段階、病害虫の発生状況等を掲載しています。

果樹部ホームページURL

 http://farc.pref.fukuoka.jp/organization/kaju/index.html

 

主要農産物の生産状況と対策

早期水稲、普通期水稲、大豆、イチゴ、青ネギ、アスパラガス、キャベツ、ブロッコリー、温州みかん、ブドウ、イチジク、ナシ、キク、トルコギキョウ、乳牛について生産状況と対策をお知らせします。

 

●早期水稲 

5月上旬までに田植えされた普通期水稲は収穫を終えました。終了は平年並みですが、登熟期の高温による乳心白米や薄茶米が発生しています。

 

●普通期水稲

 高温・多照の影響により出穂期は早くなっています。成熟期が早い品種ほど出穂が急いでおり、平年に比べ「夢つくし」で4〜7日、「ヒノヒカリ」で2〜4日程度早くなっています。

 台風の影響で「夢つくし」を中心に倒伏が発生しています。成熟期が近いほ場で倒伏が激しい場合は穂発芽など、品質低下のおそれがあります。倒伏したほ場は早めに落水し、収穫が可能なほ場は早めに収穫してください。収穫まで期間があるほ場は、土壌が乾燥しない程度の水管理を行ってください。

 また、台風16号の影響で穂揃い期〜開花期の「ヒノヒカリ」に穂の籾ずれが発生しており、発生程度がひどい場合は不稔粒、屑粒の発生による減収が懸念されます。

 中晩生種は、台風通過後数日間は水を溜めた状態にしてください。

 斑点米カメムシの発生が多いので、今後の加害にご注意ください。

 

●大豆

 開花期は7月3旬播種のサチユタカで8月18日前後、フクユタカは8月20日前後で平年より3〜5日程度早くなっています。排水溝の整備を行い、水がたまらないように管理を行ってください。

 台風の影響により、県下全域で倒伏が発生しています。可能な場合は、速やかに引き起こしを行ってください。

 

●イチゴ

 台風によって苗が損傷している場合は、痛んだ葉を取り除き、殺菌剤を散布してください。

 

●青ネギ

 本年の夏の気象は、平年より3〜4℃高温に経過しました。晴天の日が多く、灌水により生育の安定化が行われています。成育中の灌水は、晴天日が続くことを見定めて行ってください。主産地で本年から本格的に導入された防虫ネットにより、スリップス、ハモグリバエの被害が軽減されています。

 

●アスパラガス

 7月〜8月の収量は多かったですが、細い若茎、穂先のボリューム不足や、穂先が裂開した茎が多く見られます。斑点病やアザミウマ類、ヨトウ類の発生初期防除を行ってください。

 台風でビニールを除去したほ場は、早急に被覆すると共に殺菌剤を散布して、茎枯病を予防してください。最低気温が20℃を下回ったら、夜間はハウスを閉めて、草勢を維持してください。

 

●キャベツ・ブロッコリー

 露地野菜は定植シーズンに入ります。苗の生育は順調ですが、ヨトウ類、ハイマダラメイガの発生が見られます。害虫の発生初期防除を徹底してください。台風通過後は殺菌剤の散布を行ってください。土壌水分が適度な時期に耕転・畝立てし、適期定植を行ってください。

 

●温州みかん

 8月20日の当試験場の調査では、果実肥大は極早生で横径49.3mm、早生50.0mm、普通50.9mmと、平年より10%ほど促進しています。同時期の各産地の果実肥大は当場のデータより1〜2mmほど小さいですが、回復基調にあります。また、糖度は前年より1度程度高く、酸も前年より低い傾向にあります。仕上げ摘果を徹底してください。仕上げ摘果は、果実の大きさをそろえ、品質の向上を図るために不可欠です。着果量が少なく、あら摘果を行っていない園では必ず実施してください。

 

●ブドウ

 開花期の天候不良で単為結果が多く、有核果も含核果が少なくて果実肥大が抑えられています。加えて8月中旬までの干ばつで、さらに果実肥大が抑制されて収量が減る見込みです。着色の進行が平年より早く、糖度は高くて、収穫期も前進しています。着色の割に日持ちが悪いので、収穫期が遅れないように適宜収穫してください。台風で葉が痛んでいますので、収穫後に防除を行ってください。

●イチジク

 生育が早く、収穫は盆前から始まっています。7月までは干ばつのため果実の肥大が抑えられていました。8月以降は夕立等の降雨により果実肥大は回復しましたが、腐敗果が増加しています。台風後は、天候の回復を待って防除を行ってください。過熟果、腐敗果の混入に注意し、選果・選別を徹底してください。

 

●ナシ

 本年度は生育が早く、「幸水」は8月上旬で出荷収量、「豊水」も8月下旬で出荷の最盛期を過ぎました。果実肥大は8月の中旬までの干ばつで抑制され、やや小玉傾向ですが、糖度は高く、みつ症は少なく、果実品質は良好です。病害の発生は少なかったですが、ハダニ類は多く発生しました。カメムシ類が多発生しましたが、被害は局所的で全体には少なかった模様です。次年度春先の黒星病の芽基部病斑を少なくするため、収穫後の防除を徹底してください。

 

●キク

 11月出し品種の定植と、その後の生育は順調です。オオタバコガやハスモンヨトウ等の防除には、防虫ネットの設置が有効です。 

 

●トルコギキョウ

  10月〜11月出荷に向けた定植作業は、7月25日〜8月7日をピークに行われました。今年の生育状況は、高温の影響により茎立ちした茎がやや細く、葉が薄い傾向にあります。定植後は、床の乾燥を防ぎ、生育を促進するため液肥を施用してください。

 

●乳牛

 夏バテによる乳質低下は12月以降まで続くと見込まれます。一層の暑熱対策、搾乳衛生対策、良質粗飼料給与を徹底し、乳量・乳質の早期回復に努めてください。 

 

◆農総試成果情報◆

(全国農業新聞福岡版「研究最前線」8月27日掲載 )

「オープンハウスを利用したパプリカの早熟栽培」

 

  パプリカは彩りが良く、ビタミンCやβカロテンを多く含むことから健康野菜としての需要が増加しているが、国内で消費される大部分は輸入品であり、消費者からは生産現場が見える新鮮で安全な国産品が望まれている。しかし、パプリカの栽培技術は養液栽培が主体を占めており、低コスト化を図るためには土耕栽培の導入が不可欠である。また、6月から収穫する早熟栽培はハウス内の加温を必要としない栽培法であるが、夏季の高温による、す入り果や変形果等の発生割合が増加し、収量や品質の低下が問題となっている。そこで福岡県農業総合試験場では、ハウス内の気温上昇を抑制する屋根開放型のビニルハウス(オープンハウス)の利用効果を明らかにした。

梅雨明けから10月上旬までの晴天日は、日中の高温時にクールホワイト(遮光率45)等、遮光資材(可動式)をハウスの屋根に張り、同時に土壌が乾燥しないようにかん水管理を行った。その結果、初夏から盛夏季の最高気温を慣行ハウスより5〜8℃程度低く、35℃以下に、また、日平均気温も5月中旬から9月上旬まで1〜2.5℃低く、30℃以下に保つことができた。株当たりの着果数が多く、1a当たり商品果収量は1.35トンと慣行ハウスに比べて2割程増加した。特に9月以降の収穫果実は、変形果の発生が少なくなりA品率、商品果率が向上し、商品果収量はオープンハウスが慣行ハウスより3倍程度多くなる。このように、オープンハウスを利用してハウス内の気温上昇を抑制することで、パプリカの安定栽培が可能である。

 

その他

・当試験場の研究シーズをホームページに掲載しています。

下記URLから、または農総試ホームページのトップページ下部のリンクからどうぞ。

http://farc.pref.fukuoka.jp/seeds/seeds.htm

 

・試験場の風景

 吉木小学校の田植体験学習田の水稲生育状況(写真)を1週間おきに更新しています。出穂期、穂揃い期を過ぎて、穂が頭を垂れ始めています。下記URLから、または農総試ホームページのトップページ下部のリンクからどうぞ。

http://farc.pref.fukuoka.jp/view/yoshikisho/view.yoshikisho.htm

 

・「ふれあいデー」の開催日程

当試験場で恒例の「ふれあいデー」を今年は10月23日(土)に開催します。試験場探検デーは、10月18日(月)〜22日(金)です。

皆様のご来場をお待ちしております。

昨年のふれあいデーの様子は下記URLへ。

http://farc.pref.fukuoka.jp/topics/index.html

 

・次号予定

 最後までお読みいただきましてありがとうございます。

次号は10月上旬配信予定です。

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