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■■■農総試インフォメーション■■■

福岡県農業総合試験場メールマガジン

●第2号(2006年5日発行)

●発行者 福岡県農業総合試験場   

企画情報部 知的財産管理課

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メールマガジン6月号をお届けします。

 

○今月の内容○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

・気象予報

・病害虫発生予報

・生育情報(果樹)

・主要農産物の生産状況と対策

・農総試成果情報『研究最前線』

 「焼酎用二条大麦『はるしずく』を育成」

・トピック

 「品種登録願書及び説明書の様式の変更について」

 「地域ブランド保護のための地域団体商標制度が始まる」

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◆気象予報◆

福岡管区気象台によると、向こう1か月の出現の可能性が最も大きい

天候は以下のとおりです。九州北部地方では、平年に比べ曇りや雨の

日が多いでしょう。気温、降水量は平年並でしょう。日照時間は平年

並か少ないでしょう。週別の気温は、1週目、2週目、3〜4週目、

いずれも平年並でしょう。特に注意を要するのは、5月の日照時間が

かなり少なくなりました。向こう2週間程度は日照時間の少ない状態

が続くと予想されます。(6月2日付)。
 詳細は福岡管区気象台HPへ。

http://www.fukuoka-jma.go.jp/

 

◆病害虫発生予報◆

・病害虫発生予報第3号(定期予報6月)

病害虫発生量の予想や防除上注意すべき事項が掲載されています(

5月31日付)。

詳細は病害虫防除所HPへ。

 http://www.jppn.ne.jp/fukuoka/ 

 

◆生育情報(果樹)

当試験場のホームページでは、農作物の生育状況を公開しています。

<更新情報>

・果樹生育概況(常緑果樹、落葉果樹)(6月1日付)

果樹部ホームページURL

 http://farc.pref.fukuoka.jp/organization/kaju/index.html

 

主要農産物の生産状況と対策

早期水稲、普通期水稲、麦、イチゴ、トマト、青ネギ、アスパラガス、

かんきつ、ナシ、切り花、花壇苗物、豚・鶏について生産状況と対策

をお知らせします。(6月1日現在)

 

●早期水稲

生育は平年より2〜4日程遅れています。草丈はやや低く、茎数は平年

より少ないようです。日照不足で分げつは遅れており、中干しの開始

は例年より遅くなる見込みです。有効茎の確保を確認し、中干しを行

ってください。雑草が多いほ場は、中後期に除草剤を散布してくださ

い。

 

●普通期水稲

 県北の山麓地では、田植えが5月中旬から始まりました。一般平坦地

では、5月下旬播種となっています。播種後の気温が低く日照不足のた

め、苗の生育はやや遅れています。小麦栽培地域では、収穫が遅れてい

るため田植えも遅くなる見込みです。育苗管理はかん水を控えめとし、

苗の徒長を防いでください。「つくしろまん」は6月下旬に田植えを行っ

てください。

 

●麦

大麦、裸麦の収穫は55半旬から始まりました。小麦の収穫は61

半旬に「シロガネコムギ」から始まり、63半旬で終了の予定です。

赤かび病の発生は前年より多いが、平年より少なく、全県下では無〜微

発生です。5月中旬以降の多雨、日照不足の影響で充実が不足し、外観

品質が低下しており、収量、品質ともやや不良となる見込みです。収穫

後は速やかに乾燥を行ってください。地力維持のため、麦稈の土壌還元

を行うと良いでしょう

 

●イチゴ 

 17年度産の出荷はほぼ終了しました。ランナーの発生はやや遅れていま

したが、5月中下旬の降雨で持ち直したようです。ただし雨量が多いため、

病害の発生に注意が必要です。6月上旬(梅雨前)を目標に採苗を行ってく

ださい。採苗時には炭疽病の防除を徹底してください。炭疽病対策としては、

「雨よけ棚式育苗」が最も効果的です。

 

●トマト

促成栽培の中心作型(10月中旬定植)は、10段果房前後を収穫中です。

6月中旬で収穫はほぼ終了の予定です。低温傾向が続いており、灰色かび

病が発生しています。一部産地で‘石トマト’が発生したため、県農業

技術課で原因を調査中です。栽培終了後は施設内を密閉し、50℃以上の

高温を維持し、黄化葉巻病のウイルスを媒介するタバココナジラミを完

全に死滅させてください。

 

●青ネギ

現在収穫されている青ネギは、2月中下旬播種で生育日数100日程度を要

した作型です。収量、品質とも良好で、主産地では収穫量2,000kg/10a

上を確保しています。ほ場によってはスリップスの被害が発生しています。

夏季の生育安定のカギは、土壌水分の適湿状態の確保です。播種前後に下

層まで水分が行き渡るよう十分に灌水してください。また、土壌の塩類濃

度にも留意し、収穫後のEC1.0ds/m以上の場合には除塩を行ってくだ

さい。

 

●アスパラガス

5月の出荷量は順調でしたが、日照時間が短かったため若茎の色がやや薄い

ようです。スリップスが少発生しました。スリップス等の早期防除に努め

てください。梅雨時の大雨に備え、排水溝を掘るなどの排水対策に努め、

下枝の整理や整枝を行い通風を良くしてください。

 

●かんきつ

露地みかんの満開は早生種で512日前後となり前年より2日遅れました。

花弁の落ちが悪く、傷果の発生が懸念されます。新梢の緑化は遅れ気味で、

生理落果が始まりました。着果の多い樹は摘果剤を散布してください。花

弁に灰色かび病がみられるので防除を徹底してください。

 収穫中のハウスみかんは、5月中下旬の多雨、日照不足のため品質は維持し

ているものの、浮き皮の発生が懸念されます。出荷にあたっては着色、糖度

などの基準を遵守してください。

 

●ナシ

4月以降の低温、日照不足の影響で、現在の生育は平年より57日遅れて

おり、果実肥大、新梢伸長、葉色等は生育診断基準の標準値に達していま

せん。結実は、開花が遅れた中山間地の「幸水」、「豊水」で長果枝上の腋

花芽の着果が不良です。病害では黒星病が、春先の芽基部の病斑は少なか

ったものの、4月下旬以降に多発しました。現在は天気の回復で小康状態

ですが、梅雨期に入り曇雨天が続くと再発の恐れがあるため防除を徹底し

てください。カメムシも増加傾向にあるので要注意です。

 

●切り花

切り花全般の価格は、「母の日」直前が安値で、その後は高値で推移してい

ます。ベト病、うどん粉病、灰色かび病の発生に注意し、適期防除に努め

てください。

 

●花壇鉢物

 冬花壇の植え替え時期の5月が、雨天続きで苗物の消費が抑えられ、ゴー

ルデンウイーク以降は価格が低迷しています。病害虫の発生が多くなるので、

適期防除に努めてください。

 

●豚・鶏

豚枝肉価格は、アメリカ産牛肉の輸入停止や出荷頭数の減少等により堅調

相場を維持しています。 鶏卵価格は、気温が上昇し日照時間も長くなった

ことにより軟調相場が続いています。鶏卵生産に適した気候となり産卵量

は増加しますが、卵質、光線管理等に留意し、良質卵の生産に努めてくだ

さい。豚・鶏ともにワクチン接種を励行し、異常が認められる場合は獣医

師に相談してください。

 

◆農総試成果情報『研究最前線』

全国農業新聞福岡県版5月26日掲載)

「焼酎用二条大麦『はるしずく』を育成」

 焼酎人気の高まりに伴い、麦焼酎の原料として品質が優れる国内産大麦の

生産と安定供給が求められている。このような中、生産量が多い福岡県では

成熟期が早く、精麦品質や焼酎適性に優れる多収品種が、熊本県では土壌伝

染性のオオムギ縞萎縮病の新たなウイスル系統(V型)に抵抗性がある品種

の育成が緊急の課題となっていた。これまで、福岡県農業総合試験場ではビ

ール用の二条大麦を育種してきたが、今回焼酎用二条大麦「はるしずく」を

初めて育成した。「はるしずく」は縞萎縮病V型ウイルス系統だけでなく、う

どんこ病にも抵抗性がある。また、多収でデンプン含量が多く、軟質で精麦

白度が高いため、焼酎用大麦としての適性が高い。熊本県では04年秋まきか

ら認定品種に、福岡県でも05年秋まきから準奨励品種になり一般栽培が開始

され、焼酎用二条大麦の多収生産に大きく貢献するものと期待されている。

なお、「はるしずく」という品種名は、春の光をうけて輝くしずくのように美

しい大麦であることをイメージしたものである。

問い合わせ先:福岡県農業総合試験場農産部麦類育種チーム

(電話092-924-2937)。

 

トピック◆

        品種登録願書及び説明書の様式の変更(種苗法施行規則の一部改正)につ

いて

「植物品種保護戦略フォーラム」事務局からの『情報提供』です。
1.
品種登録願書及び説明書の様式の変更(種苗法施行規則の一部改正)につ

いて(プレスリリース)
 「我が国の品種登録出願の約4割が外国からの出願であり、また、今後は

我が国の育成品種の海外への出願を促進する必要があることから、530

に種苗法施行規則の一部改正を行い、品種登録願書の様式及び説明書の様式

を、UPOVの定める標準様式に合致させました。」(プレスリリースより抜粋)
 詳細に関しましては下記のホームページをご参照下さい。
 http://www.maff.go.jp/www/press/cont2/20060531press_4.html
 http://www.hinsyu.maff.go.jp/hourei060531/060531.html


2.
種苗の海外持出しに関する注意啓発リーフレット
 農林水産省より、「種苗の海外持出しに関する注意啓発リーフレット」がpdf

ファイルで公開されましたので、お知らせ致します。下記のホームページを

ご参照下さい。
 http://www.hinsyu.maff.go.jp/touitsu/mochidashi.pdf

 

問い合わせ先:「植物品種保護戦略フォーラム」事務局
(社)農林水産先端技術産業振興センター(STAFF)内
 TEL   :03-3586-8644
 E-mail:pvp@staff.or.jp
 

地域ブランド保護のための地域団体商標制度が始まる

これまでの商標法では地域名+商品名からなる商標は、図形入り商標として

登録する必要があり、同時に全国的な知名度も求められていました。しかし、

この場合、異なる図形に同一文字を付した商標は排除できず、また、全国的

な知名度を獲得するまでの間は他者を排除できないなどの問題点がありまし

た。このため、類似品・偽物が出回ると本物の地域ブランド品の販売やイメ

ージに悪影響が生じていました。そこで、地域ブランドをより適切に保護し

て、地域経済の活性化を支援する目的で商標法が改正され、平成18年4月か

ら地域団体商標制度が創設されました。これにより、「地域名+商品名」か

らなる商標を文字商標として登録することが可能となりました。主な登録の

要件は、1)出願人の適格性;法人格を有する事業協同組合、農協等の団体

で、構成員が商標使用、2)名称の適切性;地域名称+商品普通名称の文字

のみで構成し、相互に密接に関連、3)一定の周知性;隣接都道府県に及ぶ

程度の需要者が認識(証拠資料の提出必要)などですが、実際出願するに当

たっては詳細をよく確認する必要があります。商標権の存続期間は10年間で

何回でも更新可能であり、効力として商標の使用の差し止め請求、商標が付

された商品や製造設備の廃棄要求、損害賠償の請求などが可能となります。

 これまでの出願件数は平成18年5月15日現在で402件であり、農産物以外

の名産品の多い京都府からの出願数が100件以上と多くなっています。全体に

占める農産物の出願割合は3割程度で、畜産、野菜、果樹、米の順になってい

ます。農産物の主な出願事例は次のようなものです。

合馬たけのこ、新潟県産コシヒカリ、魚沼米、加賀れんこん、草津メロン、

九条ねぎ、

三ヶ日みかん、広島いちじく蓬莱柿、米沢牛、宮崎和牛、宇治茶、知覧茶

 

◆その他◆

 最後までお読みいただきありがとうございます。

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