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■■■農総試インフォメーション■■■

福岡県農業総合試験場メールマガジン

●第20号(2005年9月22日発行)

●発行者 福岡県農業総合試験場   

企画情報部 知的財産管理課

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メールマガジン9月号をお届けします。

 

○今月の内容○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

・気象予報

・病害虫発生予報

・生育情報(水稲・果樹)

・主要農産物の生産状況と対策

・農総試成果情報 

細胞培養による病気に強いナス台木の育種法

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◆気象予報◆

福岡管区気象台によると、九州北部地方では、天気は数日の周期で変わりますが、平年と同様に晴れの日が多いでしょう。向こう1か月の気温は平年並みか高く、降水量、日照時間はいずれも平年並と予想されています。

 

詳細は福岡管区気象台HPへ。

http://www.fukuoka-jma.go.jp/

 

◆病害虫発生予報◆

・病害虫発生予報第6号(定期予報9月)

病害虫発生量の予想や防除上注意すべき事項が掲載されています。

・病害虫発生予察速報(果樹カメムシ類 9月16日付)

 

詳細は病害虫防除所HPへ。

 http://www.jppn.ne.jp/fukuoka/ 

 

◆生育情報◆

 当試験場のホームページでは、農作物の生育状況を公開しています。

<更新情報>

・普通期水稲生育概況(夢つくし・つくしろまん・ヒノヒカリ)

農産部ホームページURL

 http://farc.pref.fukuoka.jp/organization/nosan/index.html

 

・果樹生育概況(常緑果樹、落葉果樹)

果樹部ホームページURL

 http://farc.pref.fukuoka.jp/organization/kaju/index.html

 

主要農産物の生産状況と対策

普通期水稲、大豆、イチゴ、夏秋ナス、温州みかん、カキ、キク、バラ、肉用牛について生産状況と対策をお知らせします。

 

●普通期水稲

出穂は、平年より2日程度早く、前年より1日程度遅かったです。9月の気温が高く推移しているため、成熟期は前年並み〜やや早いと予想されます。

台風14号の影響で、「夢つくし」と「つくしろまん」は倒伏したところがあります。「ヒノヒカリ」より熟期が遅い中晩生品種では籾ずれが発生しました。今後、収量と品質の低下が懸念されます。中晩生品種で葉が傷んでいる場合は、蒸散量が多くなるため水を切らさないよう留意してください。

 収穫時期は出穂後の積算気温に加え、黄褐色に熟した籾の比率と倒伏状況等を考慮し決定してください。倒伏している場合は成熟が進みにくく、株がムレるため、早めに収穫します。

 

●大豆

「フクユタカ」の開花期は、播種時期が720日で82025日、725日で82530日と平年より23日早く、前年と同程度でした。台風14号で少〜中程度の倒伏がみられますが、葉の損傷等は少なかったようです。ほ場内に停滞水が生じないよう排水溝を再整備してください。

 ハスモンヨトウの発生は、平年並み〜やや多い状況です。フェロモントラップの誘殺数と気温の変化を考慮して防除の要否を検討してください。

 

●イチゴ 

台風14号による苗の傷みはほとんど見られませんでした。 

 苗の炭疽病は、昨年に比べると発生が非常に少ないものの、一部、苗の不足する産地があります。

 株冷・夜冷処理の花芽分化は順調で、定植は9月初旬から開始されました。定植畝のビニルべたがけ等の事前対策が実施されているため、台風や降雨による定植遅れはほとんどありません。定植後に寒冷紗等を被覆して2番花房の花芽分化を誘導してください。

普通ポットの定植は、9月20日頃から始まっています。定植前にダニ、炭疽病の防除を実施してください。定植後は、適正なかん水管理等を行って活着を促します。

 

●夏秋ナス

台風14号の影響は少なく、葉及び果実がやや損傷した程度でした。台風通過後は、やや花数が少なくなったが収量は安定しています。

 タバコガ、ヨトウ類の発生がみられますので、発生初期に防除してください。

 樹勢をみながら20日に1回程度、窒素成分で3kg/10aを目安に追肥します。雨よけハウスでは夜温15℃以下で保温を開始してください。

 

●温州みかん

露地みかんの極早生種は916日頃初出荷予定です。台風14号の被害も少なく、果実品質は平年並みに回復しています。

  カメムシによる果実被害が局地的にみられます。発生状況に応じて防除してください。樹上選果により小玉や極大果、傷果、裂果を除去し、出荷に当たっては着色や糖度、酸度などの品質基準を厳守してください。

 

●カキ

台風14号により、落葉が全県的に1020%程度発生しました。風当たりが強かった北東向きの斜面や、標高が高い園地は一部では7080%が落葉しました。落葉の激しい樹では、残された果実の商品性を高めるため、落葉程度に応じて摘果してください。果実は枝傷、擦れ傷が多いものの、落果はほとんどありませんでした。

  「西村早生」は98日に初出荷が行われました。夏期の旱魃(かんばつ)の影響で、早生種ほど果実肥大が抑制されています。現在出荷中の果実は S2S階級が中心で小玉傾向です。

フジコナカイガラムシやハマキムシ等の害虫が多いので、発生状況に応じて防除してください。炭そ病の発生にも注意が必要です。

 

●キク

 年末出荷用の電照ギクは 91213日を中心に定植されました。定植後の生育促進のため、液肥を適宜施用します。オオタバコガやハスモンヨトウ等の防除対策のため、防虫ネットを設置してください。

秋の彼岸出し夏秋ギクは、施設栽培では「優花」と「精の波」が中心品種となっています。「精の波」は露地でも作付けが行われています。

 

●バラ

ロックウール耕及び土耕とも10月から切り花数量が増加する見込みです。ダニ類の発生が多いので防除に努めてください。

 気温の低下とともにべと病の発生が懸念されるので、早めに加温準備を行ってください。

 

●肉用牛

残暑や夏バテによるビタミンA欠乏症等が懸念されます。早期予防治療を行ってください。天候不順により稲わら不足が見込まれる地域は、良質粗飼料の確保に努めてください。

 

◆農総試成果情報◆

(全国農業新聞福岡県版『研究最前線』8月26日掲載)

 

「細胞培養による病気に強いナス台木の育種法」

 

 ナス栽培における青枯病等の土壌病害を減らすため、抵抗性を持つ台木品種の育成が求められている。しかし交配による育種では、目的の形質を安定させるための交配を繰り返す必要があり、育成に長い期間を要する。育成期間を短縮する方法の一つに半数体育種法があり、農業総合試験場ではこの技術を利用して土壌病害抵抗性ナス台木を早期に育成するための細胞培養技術を開発した。これは、ナス台木として一般に用いられている「ヒラナス」の小胞子(未熟花粉、染色体数が通常の半分の細胞)を培養し、植物体として再生させる方法である。

若い花蕾から摘出した葯をつぶし、遠心分離して小胞子のみを取り分け、35℃の滅菌水中で4日間浸した後に液体培養すると、細胞分裂を繰り返してカルス(細胞の塊)が形成される。その後、再生用培地で約60日間培養すると、染色体が自然に倍加した植物を多く確保することができた。今後は、この方法を用いて様々な形質の植物体を再生させ、青枯病抵抗性等のナス台木品種を育成する予定である。 

(バイオテクノロジー部 連絡先092-924-2970)

 

この成果はホームページで公開しています。(pdfファイル,105kb)

 http://farc.pref.fukuoka.jp/research/shu02.pdf

                                 

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