━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■■■農総試インフォメーション■■■

福岡県農業総合試験場メールマガジン

●第16号(2005年5月20日発行)

●発行者 福岡県農業総合試験場   

企画情報部 知的財産管理課

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  五月晴れのお天気が続き、今年は美しい麦秋となるようです。

メールマガジン5月号をお届けします。

 

○今月の内容○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

気象予報

病害虫発生予報

生育情報(麦・果樹)

主要農産物の生産状況と対策

農総試成果情報

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

 

気象予報

向こう1ヶ月の気象予報(福岡管区気象台5月20日付け発表)

九州北部地方の天気は、前半は数日の周期で変わりますが、後半は平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。向こう1ヶ月の気温は、平年並みか低いでしょう。降水量、日照時間はいずれも平年並みと予想されています。

福岡管区気象台ホームページでは、福岡県西方沖の地震について地震解説資料と被災地周辺の気象情報掲載しています。

詳細は福岡管区気象台HPへ。

http://www.fukuoka-jma.go.jp/

 

病害虫発生予報

病害虫発生予報第2号(定期予報5月)が発表されました。普通作物、果樹、茶、野菜(アスパラ)について、病害虫発生量の予想や防除上注意すべき事項が掲載されています。

 

詳細は病害虫防除所HPへ。

 http://www.jppn.ne.jp/fukuoka/ 

 

生育情報

 当試験場のホームページでは、農作物の生育状況を公開しています。

<更新情報>

麦の生育概況と成熟期予測

農産部ホームページURL

 http://farc.pref.fukuoka.jp/organization/nosan/index.html

・果樹生育概況(常緑果樹、落葉果樹)

果樹部ホームページURL

 http://farc.pref.fukuoka.jp/organization/kaju/index.html

 

主要農産物の生産状況と対策(5月13日現在)

早期水稲、普通期水稲、麦、イチゴ、キュウリ、冬春ナス、カンキツ、キウイ、カキ、洋ラン、ガーベラ、茶、乳牛について生産状況と対策をお知らせします。

 

●早期水稲

早期水稲の面積は約2,000haで、昨年とほぼ同じです。田植え後、高温・多日照で経過したため、活着は順調で既に分げつが始まっています。

 病害虫の発生はなく、生育も順調です。水管理は浅水〜間断灌水とし、分げつの発生を促進します。

 

●普通期水稲

早植え栽培(5月3半旬〜5月6半旬移植)の田植えが始まっています。

 普通期水稲は5月21、22日の土曜、日曜日が播種のピークとなる見込みです。浸種日数を十分とり、育苗管理を徹底して健苗育成に努めてください。

 

●麦

収穫はビール大麦「ほうしゅん」が5月第4半旬から始まります。

 収穫時期は、裸麦が5月4〜6半旬、大麦が5月4〜6半旬、小麦が5月6半旬〜6月3半旬で、平年並み〜2日程度遅くなる見込みです。

 穂数は平年並み〜やや少なく、穂長がやや短いため、収量は平年に比べやや少なくなると予想されます。

 防除が徹底され、穂揃期〜開花期の天候が良かったため、赤かび病の発生はほとんど無く、品質は良いです。

大麦は水分25%以下で収穫を開始します。播種時期で成熟期の差が大きいため、播種時期を考慮して荷受け計画を策定してください。

 倒伏圃場、湿害田等被害粒が多い圃場は、乾燥調製を別扱いします。

 

●イチゴ

出荷量増を目的に、出荷期間を延長(6月3日まで)する産地が出てきています。親株及びランナーの炭そ病防除を徹底してください。6月上〜中旬の鉢上げ、鉢受けを目標に育苗管理を行います。

 

●キュウリ

 半促成(摘心整枝)、促成(つる下ろし整枝)ともに、3月下旬以降日照時間に恵まれ、1日あたりの出荷量は150kg/10aを確保しています。

 例年4月以降に多発する褐斑病は、本年は一部の農家では発生しているものの、総じて少発生です。褐斑病は発病葉を摘除すると共に、降雨が予想される前日の防除が最も効果的です。

 

●冬春ナス

4月以降は好天が続いたので、果実にボリュームがでてきましたが、日焼け果、艶無し果も発生しています。圃場によっては灰色かび病、すすかび病が発生しています。

 かん水管理はこまめに行い、ハチ類の利用圃場では適正な整枝管理により樹勢維持に努めてください。病害虫の防除を徹底してください。

 

●カンキツ

露地みかんは発芽が遅れたものの、満開は平年並みの5月9日前後でした。着花は多いですが、花器はやや小振り傾向です。幼木でアゲハ幼虫の食害が目立ちます。アゲハ幼虫は捕殺に努めてください。

 ハウスみかんは5月2日が初売りでした。果実は小玉傾向ですが、糖度は12.5〜13度と良好です。単価は2,000円/kg程度で平年並みです。出荷にあたっては品質基準を遵守してください。

  中晩生カンキツの摘果は早めに行い、M、L果の生産に努めてください。

 

●キウイ

5月上旬で16年度の販売を終了しました。収穫量は台風の影響で著しく減少し、糖度も平年より1〜2度低かったです。

 前年の台風による落葉が激しい樹では着花が少ないため、本年は減収が予想されます。着花の少ない樹では、人工受粉を徹底して結実を確保してください。新梢管理を徹底するとともに、着果が少ない場合は追肥の施用量を減らします。

 

●カキ

生育は、展葉期が‘西村早生’4月6日(前年比8日、平年比3日遅れ)、‘富有’4月9日(同2日、同1日遅れ)と遅れていましたが、4月中旬以降の高温で生育が進み、開花期は平年並みの見込みです。着花数は、‘西村早生’、‘松本早生富有’で少ないです。その他の品種はバラツキが多く、前年の台風で不時落葉・再発芽した樹で少なくなっています。着花の少ない樹では人工受粉を徹底して結実を確保します。‘伊豆’、‘富有’は樹勢回復・強化のため、摘蕾、摘果等の結果制限を行います。樹勢が弱い場合は早めに追肥してください。フジコナカイガラムシの発生が多くなってきました。

 

●洋ラン

 ファレノプシスを中心に出荷が続いており、鉢花品質は良いです。今後は日射が強くなるので、日中の葉やけに注意が必要です。また、ダニの発生や雨天時の花シミにも注意してください。

 

●ガーベラ

 気温の上昇に伴って盛んになる新葉の展開を促すため、古葉の摘葉を行ってください。ホコリダニ、ハモグリバエ等の発生に注意し、適期防除に努めてください。

 

●茶

 好天に恵まれ、生育の遅れは取り戻しつつあります。平坦地は一番茶の摘採が終了間際、山間地では摘採最盛期です。収量は多く、価格は安めの傾向にあります。

 

●乳牛

平成17年2月〜4月受託生乳量は、前年を僅かに下回る乳量から回復傾向で推移しています。乳質及び乳成分は、牛舎環境や飼養管理面の改善取り組みにより前年に比べて向上傾向にあります。分娩牛や乳量が増えるので、牛の体調維持に留意してください。自給飼料の適期刈り及び適期播種を行い、良質飼料給与に努めてください。また、暑熱対策として、早めに飼養環境改善や給与飼料の見直し等に取り組みましょう。

 

 

農総試成果情報

(全国農業新聞福岡版「研究最前線」4月22日掲載 )

 

「夢一献」を原料とした

『福岡オリジナルソフト清酒』の開発

 

 福岡県農業総合試験場は、県内初となる酒造用水稲品種「夢一献(ゆめいっこん)」を育成しました。この新品種を使って、県工業技術センター、県酒造組合、九州大学、JA全農ふくれんと共に産学官のプロジェクトチームを結成し、『福岡オリジナルソフト清酒』をつくりました。

 「夢一献」は、倒伏に強く、大粒、多収で酒造適性が優れる特性を持っています。今回開発したソフト清酒は、この「夢一献」を原料として、工業技術センターが開発した「ふくおか夢酵母(適度にリンゴ酸を生産する酵母)」で醸造したもので、アルコール度数が10%以下と低く、爽やかな酸味が特徴です。

 県内には、最盛期の昭和48年頃は120の蔵元があり、灘や伏見と肩を並べる三大酒処の一つでした。現在は、70の蔵元が歴史と伝統に裏打ちされた良質な清酒を造っています。これまでは県独自の酒造用米と清酒用酵母がなく、他県や国の機関が開発したものを使っていましたが、長年に渡り研究を積み重ね、このソフト清酒の開発に成功しました。酒の仕込みには新しく開発した2段仕込みを採用し、平成16年度に県内の10の蔵元で製造して蔵開き等で発表しています。

 今後は全国の方々にも広く「ふくおかの酒」の良さを知っていただきながら、酒造業界の活性化とともに、「夢一献」の計画的な作付けによる水田農業の活性化をめざします。

 

(問い合せ先:福岡県農業総合試験場 農産部 電話092-924-2937)

福岡県酒造組合HP:

http://www.fukuoka-sake.org/nihonnsyu/index.html

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━