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■■■ 農総試インフォメーション ■■■

福岡県農業総合試験場メールマガジン

●第11号(2004年12月9日発行)

●発行者 福岡県農業総合試験場   

企画情報部 知的財産管理課

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メールマガジン第11号(12月号)をお届けします。

 

○今月の内容○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

・気象予報

・病害虫発生予報

・生育情報(果樹)

・主要農産物の生産状況と対策

・農総試成果情報

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◆気象予報◆

向こう1ヶ月の気象予報(福岡管区気象台12月3日付け発表)

九州北部地方では、天気は数日の周期で変わります。向こう一ヶ月の気温は高く、降水量は平年並みか多く、日照時間は平年並みと予想されています。

 

◆病害虫発生予報◆

病害虫発生予報第9号(12月6日付け)が発表されました。野菜(ナス、トマト、イチゴ、キュウリ、レタス、キャベツ、野菜共通)について、病害虫発生量の予想や防除上注意すべき事項が掲載されています。

 

詳細は病害虫防除所HPへ。

 http://www.jppn.ne.jp/fukuoka/ 

 

◆生育情報◆

 当試験場のホームページでは、農作物の生育状況を公開しています。

<更新情報>

・果樹生育概況(常緑果樹・落葉果樹、12月1日現在)

  カンキツ、スモモ、ナシ、キウイの生育段階、病害虫の発生状況等を掲載しています。

果樹部ホームページURL

 http://farc.pref.fukuoka.jp/organization/kaju/index.html

 

主要農産物の生産状況と対策(12月1日現在)

大豆、麦、イチゴ、キャベツ、ブロッコリー、青ネギ、温州ミカン、カキ、バラ、トルコギキョウ、乳牛について生産状況と対策をお知らせします。

 

●大豆

福岡、甘木、八幡、筑後地域は11月で収穫作業がほぼ終了しています。飯塚、行橋地域は12月上旬までかかる見込みです。

収穫時期の天候にめぐまれて土壌が乾燥していたので、土のかみ込みによる汚粒の発生は少なかったようです。生産物は中粒が中心で、偏平粒が例年に比べ多く、収量は昨年より低くて100kg/10a前後と見込まれます。

 

●麦

播種作業は11月15日頃より始まり、水稲後は11月5半旬までにほぼ終了。大豆後も11月4半旬から始まり、12月中旬まで行われる見込みです。作付予定面積は昨年並みの19,500haが計画されています。気温が高くて土壌水分が適当であったため、出芽は早いですが、雑草の発生も早くなっています。

 

●イチゴ

 早期作型は出荷中ですが、11月の気温が高かったので小玉傾向です。普通作型で定植が早いものは、まもなく出荷開始となります。

炭そ病の発生は特に早期栽培で非常に多く、ダニの発生も見られます。

電照、加温機を用いて適正な草勢維持に努め、適期収穫を励行してください。

 

●キャベツ

台風の影響で外葉が損傷を受けたため、全体的に小ぶりで出荷量が少ない状況です。黒腐れ病が多発し、コナガの発生も見られます。黒腐れ病の徹底防除を行ってください。葉色が薄ければ追肥をしてください。

 

●ブロッコリー

 台風の影響で花蕾の乱れが多く、生育も不揃いで遅れています。また、根こぶ病が発生しているほ場が多く、生育が遅れています。定植が遅れた苗はボトニングが出やすくなります。

定植後2週間目と4週間目に追肥と土寄せを行ってください。

 

●青ネギ

 台風や長雨の影響で9月中下旬に播種できなかったことにより、出荷量が激減しています。また、その反動で10月上中旬に集中的に播種されたため、12月中旬〜1月上旬は大量出荷となる見込みです。集中播種した作型は、夜間サイド換気をするハウスと、しないハウスを設置し、生育差をつけて出荷調整を行ってください。

 現在の生育は、病害虫の発生も極めて少なく良好です。防虫ネット設置ハウスは、冬季も設置を継続し、越冬蛹や幼虫の原因となる成虫の飛び込みを防いでください。

 

●温州みかん

 11月中旬の東京・大阪市場における早生温州の品質調査では、大田市場で糖度11.1度、酸度0.6%(前年11.0度、0.8%)、大阪本場で糖度10.8度、酸度0.6%(前年11.2度、0.8%)であり、ほぼ前年並みの品質です。福岡県産の大阪本場での品質は、糖度11.4度、酸度0.6%でした。

 各市場で腐敗果が増加傾向にあることから、家庭選果を徹底し、厳選出荷に努めてください。

 

●カキ

「富有」がピークを越え、12月6日で生果を終了する予定で、引き続き冷蔵ガキへ移行します。台風による落果・傷果、台風通過後の連続降雨による炭そ病の多発等の影響で出荷量は少なくなっています。「富有」の最終出荷量は前年比65%程度の見込みです。冷蔵ガキも、11月で入庫を終了していますが、前年比の60%程度になる見込みです。果実肥大は落葉したにもかかわらず、9月の降雨で平年並みです。糖度は落葉の影響でやや低目です。着色は当初懸念されたよりは進行しましたが、落葉が激しい樹では紅味が足りない樹があります。

外気温が下がると果実表面の結露が多くなります。流通段階での汚損果発生をなくすため、果実表面が乾いてから収穫してください。基肥の年内の施用は落葉の程度に応じて2〜3割を限度に減肥します。ただし、本年は花芽分化数が多いため、発芽後の着花数、葉色、新梢慎重をみながら春以降に追肥してください。

 

●バラ

県内主要市場における取扱数量と単価は、ともに前年より低く推移しています。これは台風の被害、夏季の高温等の影響とみられ、年内採花本数は例年を下回る見込みです。重油価格が上昇していますが、ブラインド枝の発生を防止するため、夜温は18℃を保持することが必要です。施設内を点検し、ハウス内張りの隙間をなくすなど、保温効果を上げるための対策を行ってください。

 

●トルコギキョウ

県内主要市場では、数量減、単価高で推移しています。台風の被害と9月下旬〜10月の日照不足の影響と考えられます。県北、筑豊地域の出荷は11月までにほぼ終了しました。今後は春出し作型が主体となります。灰色カビ病の発生を防止するため、施設内の換気に注意し、初期防除を徹底してください。

 

●乳牛

 8月は猛暑により生乳生産量が減少しました。9月および10月も夏バテや台風等のストレスなどにより前年割れしましたが、徐々に回復傾向にあります。気温の低下に伴い、早めの寒冷期対策に努めてください。特に、乳質・乳成分対策と良質粗飼料給与に努め、泌乳ステージに応じた乾物・栄養摂取量の確保を徹底してください。

 

◆農総試成果情報◆

 

 ブラウザによっては正しく表示できない漢字が文中にあります。「蓬萊柿」の「萊」は、@あかざ。草の名前、A草が茂った荒れ地、B草がはえ荒れるC山東省にあった周代の国名を示す漢字です。(小学館「新選漢和辞典新版 小林信明編」より)

 

(全国農業新聞福岡版「研究最前線」11月26日掲載 )

イチジク新品種「とよみつひめ」の育成
 イチジクは栽培が容易で収益性の高い果樹として、水田転換園を中心に全国的に栽培面積が増加し,産地間競争が激化している。わが国で一般に生産流通している品種は桝井ドーフィン蓬萊柿であり、両品種とも果実が大きく収量は多いが、果実の糖度が低く肉質が粗いなど品質面に欠点がある。そこで福岡県農業総合試験場豊前分場では、良食味で果実が大きく収量も多い品種の育成を目標に、1989年より育種を開始した。2000年に本県育成系統同士を交配した組合せから選抜を行い、2004年3月に新品種「とよみつひめ」の品種登録を出願し、20047月に受理された。
 「とよみつひめ」の樹勢は「中」で、新梢の発生数が多く、省力的な一文字整枝に仕立てることができる。葉は桝井ドーフィン蓬萊柿より小さい。果実の結実は良好で、果形は卵形,平均果重は約80g蓬萊柿並みである。果皮は赤紫色で、着色良好である。果肉は紅色で果汁が多くて糖度が高く、食味は極めて良い。裂果性は少なく、日持ちは桝井ドーフィン並みである。収穫開始は8月中旬からで、蓬萊柿とほぼ同時期。収量は蓬萊柿と同程度である。疫病とセンチュウに対する抵抗性は弱であるが、スリップスに対する抵抗性はやや強である。
 「とよみつひめ」は今後、桝井ドーフィン蓬萊柿に替わる品種として普及が期待される。          
 (福岡県農業総合試験場豊前分場 0930−23−0163)

その他
・次号予定
 最後までお読みいただきましてありがとうございます。
次号は12月上旬配信予定です。
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