受精卵の性判別技術を利用した効率的な乳牛の雌子牛生産
 
畜産研究所
 
1 背景、目的
 酪農経営では、能力の高い乳牛(高能力乳牛)から多くの後継ぎとなる雌 子牛を効率よく生産することが重要です。受精卵移植技術の活用により、借 り腹牛を使って高能力乳牛の子牛を効率的に生産することが可能になりまし たが、50%は雄が生まれるので、確実に雌が生まれる雌雄産み分け技術が求 められています。
 そこで、受精卵の段階で雌雄を判別する技術を活用し、乳牛の雌子牛だけ を生産する技術を開発しました。
 
 
2 成果の概要、特徴
 1)乳牛の受精卵のごく一部の細胞を体外で切り離し、この細胞をPCR法を用いて判別すると、95%の確立で雌か雄かが分かります。(写真1、2)
 
 2)受精卵の一部を切り離した判別後の受精卵は、判別しない受精卵と同じ 約60%の割合で受胎します。
 
 3)この方法を利用すれば、判定どおり 100%雌子牛が産まれますので、高能力乳牛の雌子牛を効率的に生産できます。
3 主要なデータなど