環境にやさしい青ねぎの新しい出荷方法
生産環境研究所
1 背景、目的
青ねぎの出荷には、断熱性や気密性が良く、鮮度の保持に優れた発泡スチロール容器が使われていますが、発泡スチロール容器は、使用後も分解しないために環境に与える影響が大きく、また、処理や再生に経費がかかることから、これに替わる出荷資材が求められています。
そこで、使用後の処理や再利用が容易にできる段ボール容器を用いた、環境にやさしい新しい出荷方法を開発しました。さらに、この新しい方法を用いて青ねぎを長距離輸送し、鮮度保持効果を実証しました。
2 成果の概要、特徴
1)新しい出荷方法は、目に見えないような小さな孔(直径50ミクロン)を開けたポリプロピレンフィルムで包装し、段ボール容器に詰めて行います。
2)青ねぎは、新しい出荷方法を用いることにより、福岡からトラック輸送して東京都内の市場到着後3日目まで、葉の萎凋や異臭の発生もなく、発泡スチロール容器を使用したものと同等の鮮度を保つことができます。
3)新しい出荷方法の費用は、発泡スチロール容器を使用したときに比べて青ねぎを包装するフィルムが高価なために、1箱(30束)当たり約90円高くなります。
4)現在、1日当たり約200箱の青ねぎが新しい方法で出荷されていますが、さらに普及を図るためには、コストの低減や環境問題の啓発を行うことが必要です。
3 主要なデータなど