ヒリュウを台木としたカンキツ品種の高うね栽培での
生育および収量
園芸研究所
1 背景、目的
カンキツの高うね栽培は、植え付け層が厚いこともあり、従来から使用されているカラタチ中葉系を台木にすると、樹勢の強い品種は枝梢の伸長量が多く、樹冠容積が大きくなりすぎ、管理作業に支障をきたしています。
そこで、樹冠をコンパクトにする効果があるといわれているヒリュウを台木とし、カンキツの4品種を用いて高うね栽培を行い、生育や収量に及ぼす影響を明らかにしました。
2 成果の内容、特徴
1)ヒリュウを台木にしたカンキヅは、カラタチ台木のものに比べると「宮川早生」、「今村温州」、「早香」、「清見」いずれの品種も、枝梢の基部径が小さい、節間長も短い、短い枝の発生割合が多く、葉も小さくなるなどのわい化効果がみられます。
2)ヒリュウを台木にしたカンキツは、カラタチ台木のものに比べるといずれの品種も生育が抑制されますが、その程度は品種によって異なります。樹勢の強い「今村温州」や「清見」は抑制程度が強く、従来の台木の4〜5割程度の樹冠容積になります。
3)収量は、1樹当たりではヒリュウを台木にした「今村温州」、「早香」、「清見」で、カラタチ台木のものに比較すると少なくなりますが、樹冠容積当たりでは多くなります。
3 主要なデータなど