大家畜経営では飼養規模の拡大に伴い自給飼料生産の省力化が強く求められています。このような中で、省力的な収穫が可能なロールベール向け飼料作物として、スーダングラスの栽培面積が増加しています。しかし、スーダングラスの播種・施肥作業は従来と変わりなく多労であるうえ、生育初期は比較的湿害に弱いため、播種後の降雨により、発芽障害、生育不良が生じ易く、収量が不安定になりがちです。そこで、播種作業が省力化され、しかも圃場の排水効果が大きい簡易作溝栽培法を適用し、スーダングラスを省力安定的に生産できる栽培技術を確立しました。
１）簡易作溝栽培法は、排水用の溝を作りながら耕転・播種・施肥・覆土・鎮圧の複数作業を、１工程で同時に行うことができる省力安定的な部分耕起栽培法です。
２）簡易作溝播種機は、市販のロータリを改造し、ロータリ回転軸の４力所にナタ爪を装着すると同時に、後部に麦用の施肥播種機を装着したものです。
３）簡易作溝栽培法は慣行の全面耕栽培法に比べ、次のような経済的な効果があります。
@１０ａ当たりの作業時間は３０％以上短縮され、省力効果が大きく、１時間当たり約１０ａの作業が可能です。
A播種と同時に排水溝が作られるため、湿害の発生が少なく、スーダングラスの発芽及び生育が良好となり、収量が安定します。
B圃場の地耐力は、全面耕起栽培に比べ３倍程度大きいので、大型機械による管理・収穫作業が容易となります。
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