養豚農家では、ふんは乾燥、発酵処理を行っていますが、多大な労力と処理施設に大きな費用を投入しています。このようなことから、環境への影響を小さくし、処理労力と経費の節減を図るため、ふん排泄量を軽減させる必要があります。そこで、飼料に酵素(ペクチナーゼ主体)を添加し、肥育豚に給与することにより、飼料消化率の向上とふん排泄量の軽減効果を明らかにしました。
1)市販飼料(TDN74.5%、DCP12.7%)に酵素(主にペクチナーゼ)をO.2,O.5%添加し、肥育豚に給与すると、乾物の消化率は3.2〜5.7%向上します。
2)飼料要求率は酵素添加割合の増加に伴って良くな一)、酵素O.2%添加で無添加よ一)0.1,O.5%添加で0.19低くなけ)ます。飼料費は酵素を添加すると若干高くなります。
3)ふんの含水率は酵素添加割合の増加に伴って低くなります。生ふん排泄量は酵素0.2%添加給与で21%、O.5%添加給与で41%、いずれも有意に軽減できます。
表 1 乾物消化率と発育及び飼料利用性成績
注) 55kg増体に要する飼料費:飼料単価33.5円/kg、酵素単価675円/kg、 飼料要求率で算出