酪農経営の強化を図るためには、乳量、乳質の優れた牛群を揃えて、効率の良い飼養管理を行う必要があります。そこで、飼養する乳牛の個体ごとの泌乳能力を早期に判定して、能力の優れた個体を選抜し、能力の劣る個体を効率良く淘汰するために、分娩後4ヵ月程度で簡易に泌乳能力(305日乳量)を予測する方法を明らかにしました。
福岡県内で実施した半群検定成績を用いて、305日乳量を簡易に推定する重回帰式を作成しました。
1)精度の高い305日乳量(推定値±522.8s)を推定するためには、分娩後72日目と132日の2回の乳量を測定します。
2)簡易推定するための泌乳量の測定回数は、多いほど標準誤差は小さくなり、推定精度が高まります。
3)最も高い相関を示した泌乳量は、分娩後の平均日数で132日目の泌乳量です。
写真 1 検定牛のミルキングパーラーでの搾乳と乳量測定
図 1 福岡県の牛群検定成績を用いて作成した泌乳曲線
表 1 305日乳量の簡易測定
注) 推定式中の305日乳量の推定値、Aは分娩後72日目、Bは分娩後102日目、Cは分娩後
132日目の泌乳量
表 2 305日乳量と泌乳量の相関係数