現在、麦作付け面積の確保および高品質麦の生産拡大を図るために需要度の高い優良品種の作付けが重要な課題となっています。このような背景において、水稲〜麦二毛作体系を特色としている本県では、「ニシノチカラ」より成熟期が早く、耐倒伏性が優れ、大麦縞萎縮病に強く、精麦適性の優れた食糧用二条大麦の多収品種の普及が農家及び関係機関から強く望ま机ていました。これらの要望に応え、作りやすく、焼酎原料に最適の「ニシノホシ」を準奨励品種に採用しました。
「ニシノホシ」(交配親:ニシノチカラ/栃系145九州農業試験場育成)は「ニシノチカラ」に比べて次のような特性があります。
1)成熟期は1日〜3日早い早生種です。
2)稗長は12cm程度短く、穂長は同程度で、穂数は多い規程種です。
3)倒伏指数は小さく、耐倒伏性はやや優れます。
4)穂発芽性はやや難です。
5)うどんこ病、大麦縞萎縮病抵抗性は同程度に強ですが、赤かび病抵抗性はやや劣り中です。
6)千粒重は軽いが、収量はやや優れ、外観品質は同程度かやや優れます。
7)精麦適性は優れ、特に軟質で、精麦白度が高く安定しています。
8)子実のデンプン含有率が高く、焼酎の原料に適しています。
「ニシノホシ」は、「ニシノチカラ」に替えて福岡県内の平坦地に普及を図る予定です。
注) 平成6年〜8年の平均値、農産研究所
障害の程度:0(無)〜5(甚)の6段階で表示
注)倒伏指数は小さいほど、耐倒伏性に優れる。
注)産地:農産研究所、でんぷん含有率が
高いほど焼酎原料として優れる。