褐 色 卵 の 色 あ せ を 防ぐ 適 正 な 保 管 法

畜産研究所


1 背景、目的

 ブランド卵は一般の卵価に左右されないので、養鶏農家の経営安定が期待でき、鶏卵市場に占める割合は年々増加しています。これらのブランド卵には白色卵との差別化を 図った褐色卵(赤玉)が多く使われており、赤玉の色の濃さは消費者に好まれる鶏卵品質の1つとして重要なポイントとなっています。
 そのため、鶏舎構造の違い、鶏齢、日光が赤玉の色に及ぼす影響について明らかにしました。


2 成果の概要、特徴

1) ウィンドウレス鶏舎と開放鶏舎の赤玉の色を比較すると、鶏舎の違いによる差は見られません。

2) 鶏の日齢が進むにつれて赤玉の色は薄くなり、28週齢の若い時と比較して52週齢と老化が進むと、卵の色は著しく薄くなります。

3) 鶏舎通路等の日の射す場所で赤玉を保管すると、室内と比べて明らかに早く色あせします。また、室内での保管でも2日後には相当に色あせします。  

4) 産卵後できるだけ早く集卵して室内の冷暗所で保管し、産卵2日以内に出荷すると、赤玉の色あせや鮮度の低下を防ぎ、消費者に喜ばれる卵を供給することができます。


3 主要なデータなど

    表1 各週齢時及び鶏舎構造の違いによる卵殻色と色差

 注) @L値:明度、a値:赤色度、b値:黄色度  
   A色差の程度:0.5〜1.5 わずかに異なる、1.5〜3.0 相当に異なる、
    3.0〜6.0 著しく異なる

 

    表2 保管場所の違いが卵殻色に及ぼす影響

  注) 鶏舎内通路:昼間日光が当たる。




      鶏舎内通路                室 内

      写真1 保管場所の違いと卵殻色(保管2日後)