抗血清によるブドウ根頭がんしゅ病菌の簡易な検出法
果樹苗木分場
1 背景、目的
県内の一部のブドウ園では、ブドウの根部や枝梢にコブができて、樹勢を衰弱させる根頭がんしゅ病が発生しています。本病を起こす病原細菌は、常法では感染を確認するのにかなりの期間を必要とします。
そこで、本病原細菌に対する抗血清を作成し、迅速かっ簡易に確認する方法を確立しました。
2成果の概要、特徴
1)確立した方法は、分離した細菌と作成した抗血清をスライドガラス上で混合し、凝集反応の有無を肉眼で判定することにより、迅速でしかも簡便に感染を確認できます。
2)抗血清の作成には、50〜60日を要しますが、一度作成すると凍結保存することにより、半永久的に使用できます。
3)凝集反応は抗血清の希釈借数を320倍にしても肉眼で判定できます。また、ルーぺや顕微鏡を利用すれば、抗血清濃度をさらに低くしても判定が可能です。
3.主要なデータなど
表1 ブドウ根頭がんしゅ病菌に対する免疫期間別のスライド凝集反応
注)++:反応強、+:反応中、±:反応弱、−:反応無
凝集 無凝集
写真1 スライド凝集反応