果汁100%からつくった、さわやかな酸性調味料素材
生産環境研究所
1 背景、目的
カキやキウイフルーツ果実は、加工向けの原料も多く、付加価値の高い加工品の開発が望まれています。
そこで、これらの果汁を原料に、酵素を用いたグルコン酸の効率的な生産条件を明らかにするとともに、グルコン酸を主成分とした酸性調味料を製造するための食品素材を開発しました。〔特許出願中〕
2 成果の概要、特徴
カキやキウイフルーツ果汁を原料に、酵素グルコースオキシダーゼを用いて純酸素加圧条件下で反応を行わせることにより、短時間でグルコン酸を生成させ、酸味の強い果汁にすることができます。
1)溶存酵素の供給効率を増加させるような操作、すなわち通気に純酸素を用いて加圧状態で酵素反応を行わせることにより、グルコン酸の生成を効率的に行うことができます。
2)純酸素1気圧加圧条件下で24時間後に生成したグルコン酸濃度は、カキ果汁では7.8%、キウイフルーツ果汁では2.3%に達します。
3)このようにして酵素反応を行いグルコン酸を生成させた果汁と市販醤油を、3:1に混合することにより、嗜好性の良い新しいタイプの酸性調味料ができます。
3.主要なデータなど
表1 酵素反応開始および終了時の果汁の有機酸、糖およびpHの変化
写真1 カキやキウイフルーツから作った酸味調味料