製めん適性に優れた「チクゴイズミ」の栽培法
農産研究所
1 背景、目的
小麦「チクゴイズミ」は製粉、製めん適性が優れ、早生で多収な新品種で、麦作振興の起爆剤として期待されています。そこで、「チクゴイズミ」の生育特性を発揮できる栽培条件について検討し、高品質、安定栽培法を明らかにしました。
2成果の概要、特徴
1)「チクゴイズミ」は、成熟期が農林61号より3日程度早い早生で、稈長は5p程度短いが、穂が大きい多収品種で、千粒重が重く、検査等級が優れます。圃場の肥沃度や施肥法が異なる場合でも、収量・品質は高位に安定しており、栽培適地が広いと考えられます。
2)夏作に大豆や牧草を栽培すると、後作の小麦に枯熱れ様障害の発生がみられることがありますが、「チクゴイズミ」は枯熟れの発生が少なく収量・品質が安定しています。
3)年により黒目粒の発止がみられることがありますが、赤かび病に対する防除を開花期と開花1週間後に行うことにより黒目粒の同時防除が可能です。
3 主要なデータなど
第1図 年次および施肥法による収量の変動
注)施肥法は基肥+分げつ肥+穂肥(圃場の肥沃度)を示す
第2図 品種、前作別枯熟れ様障害発生程度 第3図 赤かび病防除の黒目粒発生
抑制剤防除効果
写真1 立毛状況
左 チクゴイズミ 右 農林61号